京都大学 大学案内2019
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与えられて学ぶ“生徒”から求めて学ぶ“学生”に変換していく教養・共通教育どの学部であっても入学後、まずは国際高等教育院による「教養・共通教育」が行われます。この「教養・共通教育」では専門科目を学ぶ前に、あるいは専門科目と並行し、文理を問わない専門外の分野をふくめ、人類の叡知や学問の脈略を幅広く学習します。あわせて京都大学の教養・共通教育には3つの目的があり、次代に向けて養うべき能力を基軸に、次の3分類に大別されています。〈1_学術的教養を養う〉これまで人類が築き、今も築きつつある学問・研究に広く向きあい、その方法論や探求姿勢の修得です。そのための取り組みは学問という領域を超え、人生観や世界観におよびます。これらを通じて人間的に成長しながら、専門的な学びや研究の土台となる学術的教養力を養っていきます。〈2_文化的言語力を養う〉自分の言葉(言語)で批判的かつ論理的に思考を組み立て、それを表現して他者に伝える方法の修得です。そのための言語学習には、自国語の高度な運用能力の涵養はもとより、自身の専門性を活かし、世界的に活躍するために不可欠な外国語の修得がふくまれます。また、こうした文化的言語力を養うには他者や異文化を理解し、多様性を受け入れる姿勢が重要であり、京都大学では“英語で学ぶ”全学共通科目の提供や言語の自習環境の整備を進め、海外留学を後押ししています。〈3_基礎的知力を養う〉専門科目の学修に必要な基礎的知力の修得です。そのための学びには、社会や学術研究をリードしていく際の基盤となる知識・技能の修得はもとより、予想不能なほど複雑な状況下、適切な課題解決法を見つけるために必要な姿勢の涵養もふくまれます。*なお、これらを履修するだけで、3つの目的が達成できるわけではありません。大切なのは学生の主体的で能動的な関わりであり、与えられて学ぶ“生徒”から求めて学ぶ“学生”へ、変換を促すことこそ、京都大学「教養・共通教育」が掲げる目標に他なりません。教育課程、すなわち「カリキュラム」は個々が歩む道筋を示す言葉です。そこには与えられた課程を受動的に辿るのではなく、自身の将来を見据えながら、自身で見つけた道を能動的に歩んでいくことへの合意がふくまれています。京都大学では学部から大学院に至る、すべての教育にこの考え方が貫かれてあり、学生の主体性に応える“柔軟な学び”を最大の特色としています。教員との関係性を深めつつ専門的な知識・技能を修得していく学部での専門教育教養・教育と併行して「学部での専門教育」が始まります。専門教育の占める割合は1年次から学年とともに増してゆきます。また、学部によって異なりますが、専門教育では学科やコースなど、専門分化された課程での学びに取り組みます。この間、講義で知識を得るだけでなく、実習や演習など、専門分野に特化した技能を修得するための学びも増えてゆきます。こうした専門教育は少人数で行われることが多く、教員との対話も深まります。さらに卒業に向けた“学びの総決算”として、卒業研究や卒業論文、国家試験の受験・合格などの課題が与えられます。自ら発見したテーマを自ら学びより高度な専門性を獲得していく大学院での教育・研究京都大学では例年、学部で学士の学位を得た卒業生の約55%が上位学位(修士・博士)の取得をめざし、大学院に進学します。〈修士課程〉「修士課程」には大きく分けて、研究者養成のための従来型大学院、実務家養成のための専門職大学院、2つの課程があります。また、京都大学の大学院には他学部や他大学の卒業者、社会人経験者や留学生も多く、幅広い年齢層や多様なキャリアをもつ人々との関わりが得られます。ただし、大学院では自らテーマを発見し、自ら学ぶことがさらに重視され、“良い答え”を見つけるだけでなく、“良い問い”を発することも重視されます。そのような修士課程の修了に際しては、研究者養成の課程では修士論文の作成が、専門職大学院では関連専門職の資格試験の合格が、それぞれの総仕上げとなります。〈博士課程〉修士課程の修了後、研究者や高度な専門家をめざして進む「博士課程」では本人の意欲に応じ、京都大学ならではの充実した研究環境の恩恵を最大限に受けられます。博士課程では研究テーマを自ら定め、立案した研究計画に基づく指導を教員から受けます。あわせて国際会議での発表や学術雑誌に向けた論文執筆なども本格化、自立した研究者としての活動が始まります。こうした研究の成果を博士論文にまとめ、審査に合格すると国際的通用度の高い「博士号」が授与されます。なお京都大学では時代のニーズに応え、高度な専門性と幅広い視野を併せもち、社会の多様な分野で活躍できるリーダーの養成を目的とする「5年一貫の博士課程教育リーディングプログラム」を提供しており、海外の大学との共同学位プログラムも多分野で実施しています。京都大学の教育020KYOTO UNIVERSITY GUIDE BOOK 2019

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