京都大学 大学案内2019
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調査ターゲットにした「タパ」をつくる家を未知の島々を歩いて見つけた3週間学びとったのは人との出会いの大切さアフリカの支援につながる食品の開発に際し必ず立ち向かってくる“壁”を予め知見したひと夏のエチオピア暮らしチャレンジテーマ トンガ・ババウ諸島における環境と工芸チャレンジテーマ エチオピア人の味覚を知り新嗜好品を提案する高校時代、地元や東京の国公立大学を目指す友人が多かった中、僕自身は「文系と理系の壁をこえて行動したい!」という衝動に突き動かされ、”なんでもあり”と感じた京大の総合人間学部を目指しました。すると入学後、2年次にアジア・アフリカ地域研究研究科による学部生向けの授業があり、勇んで参加したのが琵琶湖・沖島でのフィールドワーク。そのつながりで教授から「おもろチャレンジ」のことを教えてもらいました。これが、2年次の8月に約3週間に渡って、「トンガ・ババウ諸島における環境と工芸」をテーマとする現地調査に取り組むきっかけとなるのです。このテーマは、文化人類学への関心と、”ものづくり”への興味とを重ね、表現しました。私にとっては初めての海外で、トンガという国もまったくの未知の場所でした。そのため、目的とした「タパ」(特定の木の樹皮を棍棒で叩きのばしてできる不織布)を実際に作る姿を、小さな小さなエウアという島で見つけ出すまでは、大変な苦労の連続でした。そんな私の支えとなったのは、青年海外協力隊の看護師の方、フィールドワークに来られていた日系アメリカ人の大学教授、その他さまざまな人たちとの出逢いです。事実、調査で特筆するほどの成果は得られませんでしたが、フィールドワークの難しさを痛感しつつ、人との出逢いや交流の重要性を学びとれたことは、将来に確実につながる収穫でした。また、奨学金による渡航というプレッシャーがあったことで、責任感が一層高まったとも実感しています。皆さんも京大生になったらぜひ、この「おもろチャレンジ」に挑んで欲しいと思います。まだ小学校2年生くらいの頃、アフリカの同年代の子どもたちが辛い思いをしている姿をテレビで見てからずっと、“私にできること”を模索していました。それは高校生になっても見つからなかったのですが、漠然と考えているだけではダメだと気づき、行動を起こすために進んだのが京大農学部の食品生物科学科。入学後は“食”の科学的知識を活かしたアフリカでの活動を目標に学び、ひとまず見つけた“私にできること”が「おもろチャレンジ」でした。「エチオピア人の味覚を知り新嗜好品を提案する」というテーマで現地調査を実施したのは2年次8月の約1カ月間。味覚に関する官能試験をエチオピアの人たちにしてもらったり、彼女ら彼らにとっては食べ物には思えない羊羹や“さきいか”を食べてもらったり、エチオピアの家庭料理をレシピと共に記録したりしながら、私自身も各地のソウルフードをたっぷり食べ続けました。こうした活動により、アフリカの支援につながる食品を開発する際、必ず立ち向かってくるであろう“壁”を予め知見するという成果を得たのですが、収穫はそれだけではありません。私は今回のチャレンジを通じ、やりたいと思ったことは絶対に後まわしにせず、動機を徹底的に掘り下げながら計画を練り、成し遂げようとする努力の大切さを身をもって知ることができました。そんな学び体験が待っている“おもろい”京大をめざす皆さんが入学してくる頃、大学院生になった私は再びアフリカを歩きまわっているかもしれません。「おもろチャレンジ」は募集のタイミングで説明会も開催されるので、興味がある人はぜひ参加してみてください。総合人間学部 文化環境学系 4回生今井 惇さん宮城県 仙台第一高等学校 出身農学部 食品生物科学科 4回生横井 朱里さん大阪府 天王寺高等学校 出身Omoro ChallengerOmoro Challenger013KYOTO UNIVERSITY GUIDE BOOK 2019

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