豊橋技術科学大学 大学案内2018
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04どのような研究をしていますか?植物由来の高分子材料「ポリ乳酸」を研究しています。ポリ乳酸とは、トウモロコシでんぷんから作られる体内や環境で分解する安全でエコな材料として非常に注目され、実用化されている素材です。熱を加えることで、フィルムや繊維状など様々な形に加工することができ、野菜などの食品や日用品のパッケージにも使用されています。また、医療の分野では、骨折した骨を固定するためのボルトや、縫合糸としても活用されています。分解されたポリ乳酸は、いずれ体内で代謝されるので、ボルトの摘出手術や抜糸をしなくてよいというメリットがあります。ただ原料にトウモロコシを使用するため、生産量に限界があります。大量にあり、かつ食用でない新たな原料の探索も今後の課題とされています。また、用途によっては高い強度や耐熱性も必要なので、鏡像の関係にある2つのポリ乳酸を一緒に結晶化させて、幅広い用途で使用できるよう強度や耐熱性を高める研究にも力を入れています。研究でのやりがいは何ですか?学生が若く柔軟な頭で考えた研究テーマで、予測できなかった重要で価値のある研究成果が得られたことがあり、この時は研究の面白さを感じました。今までに発表した研究論文などは合計12,000回以上他の研究者の論文で引用されており、今も増え続けています。私たちの研究室での成果が世界的に注目され、大きな影響を与えていることに、とてもやりがいを感じています。InterviewProfile辻 秀 人環境・生命工学ポリ乳酸から考える人と環境にやさしい社会。研究テーマつじ ひでと■ 所属/環境・生命工学系 ■ 職名/教授■ 専門分野/バイオベース高分子材料 ■ 学位/博士(工学)(京都大学)■ 所属学会/アメリカ化学会、高分子学会、日本化学会持続可能社会を支える「バイオベース高分子材料」の合成、高性能化および結晶化に関する研究を行っています。❶ポリ乳酸を中心とするバイオベース高分子材料の高性能化❷ステレオコンプレックス結晶化を中心とする高分子の結晶化挙動の 解明と制御❸高分子の高性能化および結晶化挙動を検討するためのモデル高 分子の合成新しい道を切り拓く研究者たち自分のペースで研究できる自由度の高い研究室ですが、週一度の進度報告では、しっかり教授と相談できるので、高い目標意識を持って研究に集中できます。研究室のメンバーとしっかりコミュニケーションをとり、研究への考え方を共有する中で、自分とも素直に向き合えるようになり、人間的にも大きく変わることができたと実感しています。小澤 亮太さん環境・生命工学専攻 博士前期2年(沼津工業高等専門学校)(2016年12月撮影)研究を通して、自分の成長を実感できる場所。VoiceHideto Tsu i18

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