立教大学 大学案内2019
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 赴任を終え、まだ変えたいことがあったというのが本音です。ですが、情熱ばかりでなく冷静さも大切です。文明・技術を持ち込むことは簡単ですが、「不便でもこのままの生活がいい」という声もあるでしょう。他者のためにと志して旅立ったものの、その意味の深さに自問を繰り返しました。 その中で、ボランティアの概念も変化しました。何かをしてあげる、ではなく、並び立って考える。答えを与えるのではなく、相手にとって何が最良かを対等な立場で一緒に考える支え方。その眼差しが、自分の中に宿ったように思います。将来、どの組織で、どのような社会問題に挑んでも、この眼差しを忘れずに取り組んでいきたいです。 私の役割は、東ティモールの人々に国連の活動支援を知ってもらうために、国連のWebサイトやSNSに記事や写真を掲載する広報活動を行うことです。 日々の広報では、目線のあり方に気を配りました。いくら支援を行っても、現地の人々の意識が変わらなければ、いつまでも発展途上のままになってしまう。例えば水のインフラを整備する活動にしても、建設作業やメンテナンスをするのは現地の人々です。彼らのモチベーションを維持するためには、彼ら自身が変革に関われることを伝えなければ意味がない。国連が支援したという目線で活動報告をするのではなく、現地の人々が「自分事」として捉えられるように伝え方を工夫しました。変革力LEADERSHIP-03 ボランティアに興味を抱いたきっかけは、ルワンダの大虐殺を描いた映画「ホテル・ルワンダ」を観たことです。当時高校生だった私は、自分の国では当たり前なことが、開発途上国では当たり前ではないことに衝撃を受け、少しでも現状を変えるには何ができるだろうと考えました。 この気持ちを原点に、大学入学後はアカデミックなアプローチを模索して1年次から「国際協力人材」育成プログラムを履修。座学で国際問題を解決するためのアプローチ方法を学んだのち、3年次には国連ユースボランティアの一員として東ティモールの国連開発計画(UNDP)で活動を始めました。国連機関である国連ボランティア計画(UN Volunteers)が大学と連携し、学生を開発途上国へ派遣するプログラムです。約5カ月間、国連事務所や政府機関、NGOなどに派遣され、Webサイト作成などの広報活動、プロジェクト運営の支援などを通して、異文化適応力、コミュニケーション能力、外国語運用能力、主体性、責任感、柔軟性等のグローバルリーダーとしての資質を養います。国連ユースボランティアプログラム[全学部対象]22

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