法政大学 大学・入試案内2017
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宇宙の謎への挑戦理工学部 教授  岡村 定矩 研究室この宇宙はどのように生まれ、成長してきたのか?あなたは、夜空に漂う天の川の正体を知っているだろうか。私たちが属する天の川銀河。これを太陽系から、つまり銀河の内側から見た姿が天の川なのだ。では、さらに外側の宇宙の姿とは? かつて人類が海を越えて世界を広げていったように、宇宙の謎に挑むことは、今までにない視野を得て、世界を広げることだ。果たして宇宙の構造はどうなっているのか。その謎に挑み続ける岡村定矩教授に、これまでの研究の内容を伺ってみた。128億年の昔まで見通せるようになった「宇宙の考古学」宇宙はどうやら均一ではなく、石鹸の泡のような状態で銀河が分布しているらしい。この構造を視覚的に明らかにし、全世界を驚かせたのは、観測的宇宙論、銀河天文学という分野だ。「ビッグバンから始まった宇宙の年齢は138億年。その間に宇宙がどう広がり変化したのかは、宇宙の基本構成要素である銀河を観測して探ることができます」と岡村教授。天文学が「宇宙の考古学」と呼ばれる理由はここにある。そして岡村教授の研究開発によって、観測的宇宙論は大きな躍進を遂げた。それが「シュプリーム・カム」の開発。なんと、現在ハワイにあるすばる望遠鏡に搭載され、128億光年先の天体まで見通す超広視野カメラ「ハイパー・シュプリーム・カム」の原型を生み出したのだ。しかし、遠くの天体を見ることが、なぜ“考古学”につながるのだろう。シュプリーム・カムの登場によって、宇宙の大筋は見えてきたその理屈はこうだ。天の川銀河から250万光年離れたアンドロメダ銀河の光は、250万年の時を経て私たちの目に届いている。同様により遠い銀河の光を捉えれば、より遠い昔、そしてついには宇宙が誕生した頃の銀河の姿に迫れるという訳だ。しかしそうした天体は極めて光が弱く、普通のカメラでは記録できない。これを解決したのが、写真より100倍感度が高いCCD素子を応用した「シュプリーム・カム」なのだ。「銀河生成には、巨大な原始ガス雲から一気に銀河が生まれたという説や、小さなガスと星の集団が最初に生まれたという説など、さまざまな仮説が立てられていました。しかし観測によって、銀河は小さな星の集団が衝突合体を繰り返し、少しずつ大きくなったことが分かったのです」。岡村教授は、銀河だけでなく宇宙の成長過程も大筋は見え始めたと語る。

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