東京大学 大学案内2019
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THE UNIVERSITY OF TOKYO 201954世界各地の大学へ留学する日本人学生の数も、世界各国各地域から訪れる外国人留学生の数も、年々増加しています。語学習得のみならずグローバルな感覚、真に異文化を理解する感性と国際的キャリアを拓くことができるのは海外留学の大きな魅力です。東京大学は教育の国際化を推進し、多くの学生が世界各国で友好の輪を広げています。 三年前に留学生として大学に入ったばかりの自分を顧みる時、今は何が一番変わったかというと世界の見え方だと思います。それは異国の土地で感じたより広い世界という意味だけではなく、東大での学びを通じて広がった世界への認識でもあります。 今に思えば、前期課程の教養科目での学びはとても貴重な経験でした。社会科学の入門科目以外に興味のある社会基盤工学、哲学と論理学などの授業もたくさん取りました。その中で一番印象が深かったのは一年生の科学史の授業でした。数回の講義にわたって先生が何回も「自分の目で見る。自分の頭で考える。」と強調しました。それをきっかけに大学生として学問をすることの意味を考え始めました。あれから三年後、専門科目の勉強も進んだ今では独立で思考することの大事さをますます実感できてきています。高校と違い、これから進む学問の世界にも実社会にも問いへの正解は存在せず、一方的に情報を受け取るのが足りなく今まで積み重なった人類の知恵をもとに自分で試行錯誤しながら探索せざるを得ません。今から我々が直面するのは貧困、疾病、不平等といったテストより遥かに困難な課題です。だからといって自分の思考を諦めるべきでなく、大学の学びで必ず何らかのヒントを得られると私は信じています。東大には熱意を持つ教授たちがたくさん集まっています。皆さんにもぜひこの貴重な学問の場を大事にして自分なりの探索をしてほしいです。 そして東大は同時に自分への探索が始まるところだと思います。最高学府としてここは多様性に富んだ学生たち海外からの留学生 (私費/後期課程)自分と世界への探索教養学部教養学科総合社会科学分科国際関係論コース 4年祝 暁明 中国出身 3年前の高校生の自分に、日本に留学して東京大学で学んでいる事を教えたら、どんなに驚くだろうか。恐らく信じられないだろう。モロッコでは、高校卒業後は国内もしくはフランスで学ぶ者が殆どで、日本へ留学するケースはあまりなく、あっても大学院レベルの留学のため、私のように学部からの留学は稀なケースと言えるかもしれない。 日本の素晴らしい科学技術を知り、また2014年に3人のノーベル物理学賞受賞者を出した日本に大変興味を持ち、研究の面から見ても、自分自身の成長の面から見ても、非常によい機会だと思い、日本留学を決意した。今、改めてこの2年間を振りかえってみても、この決断は本当に良かったと思う。 来日1年目は、大学に入るための予備教育として東京外国語大学に入り、日本語をはじめ様々なことを習ったが、進学先大学も分からないままだったので、不安でいっぱいだった。しかし、今考えると、この不安が自分の成長にとても役立ったと思う。不安だからこそ、それを乗り越えようと、必死に勉強し、新しい知識が身についていったように感じるからだ。 2年目に東京大学に入学した。学術面はもちろん、人間関係やリーダーシップなどの面から見てもさすがに凄い大学だと実感している。部活やサークル活動、講義やゼミの中で様々なことに興味を持つ学生と出会い、様々な交流を行っている。同じ興味を持つ人達と知識を交換し合うことはとても楽しく、また、今まで全く興味のなかった分海外からの留学生 (国費/前期課程)野の知識を色々教えてもらう機会も多いため、自分自身の視野がどんどん広がっていくのを日々感じている。 授業は、先生が教えてくれる授業だけでなく、自分で積極的に調べたり、発表したり、様々なことを体験する授業も少なくなく、駒場Ⅱキャンパスにある先端科学技術研究センターの研究室で「深層学習(ディープラーニング)」について学ぶ貴重な体験もできた。 東京大学では入学後2年間は全員が駒場Ⅰキャンパスの教養学部で芸術、思想、社会、経済、文化、国際、科学など多彩な分野を学ぶ。一つ例をあげると、「総合科目の現代国際社会論」では、自分の国でも深く学べないサハラ以南のアフリカの国々の政治や国際関係について多角的に学んでいる。国家や民主主義、グローバル化といった概念を学べたことは、理学部数学科へ進学した後も、学際的な研究を行う上で大変役立つであろうと思う。 東京大学に入学出来たからには、大学の様々な資産を活用し、自分自身もさらに大きく成長し、いずれは社会に貢献できるようにすることが、私の義務だと思っている。教養学部理科一類 2年ハフィド アユーブ モロッコ出身東大のhult prize五月祭の出店の宣伝東大女子ハッカソンでの様子を受け入れています。性別や国籍といった身分を超えたアイデンティティの豊かさを周りの友達から常に感じています。全力で取り組んでいる部活動や情熱的に語れる専門分野など、みんなそれぞれ何か好きなことを極める一方、自分と異なる他者のことを積極的に理解しようとしています。私が入った古典ギターのサークルにはバックグランドの全く違う学生たちが集まっていますが、みんな音楽に対する愛で繋がっています。こうして多様な場で人との繋がりを構築していく中で自分と向き合うチャンスも増えます。多様性に富んだ所だからこそ、他人と異なるところは何か、何のために頑張っていきたいか、そして何を武器に社会に貢献できるかについて深く考えられる場所だと思います。この意味で東大は人間性を豊かにし、自分を探索するための場でもあります。ぜひここを拠点に自分と真剣に向き合い、そして一緒に世界と向き合いましょう。日々見聞が深まる喜び留学生・留学経験者の声

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