東京大学 大学案内2018
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THE UNIVERSITY OF TOKYO 201854世界各地の大学へ留学する日本人学生の数も、世界各国各地域から訪れる外国人留学生の数も、年々増加しています。語学習得のみならずグローバルな感覚、真に異文化を理解する感性と国際的キャリアを拓くことができるのは海外留学の大きな魅力です。東京大学は教育の国際化を推進し、多くの学生が世界各国で友好の輪を広げています。 短期留学と違って、日本に5年間も留学することになったときとても怖かった自分の姿を思い出します。自分に合わなかったら?友達ができなかったら?今の生活をあきらめて失敗したら?という悩みでいっぱいでの来日からすでに3年間があっという間に経ちました。日本中の47都道府県から東京大学に来ている高校を卒業したばかりの学生たちも同じような悩みを持っているのでしょう。私は東京大学で過ごしてきた2年間を振り返ってみると、全く心配しなければよかったと思います。 私にとって東京大学というと、まず、世界大学ランキングのトップにあって、施設が豊かでとても学業や研究が優れているところです。1-2年生の時と同じ3年生になっても教養学部に所属していて、ずっと駒場キャンパスにいますが、勉強や研究に最高な場所だと思います。教養学部では文科理科や自分の専攻を超えて様々な学問に触れながら過ごす最初の2年は将来に何をやりたいかという選択に関わると思います。自分は高校まで嫌いな生物学などを教養学部で履修してみて気に入ったり、言語学という自分の専攻を心理学に変えたくなるぐらい興味深い臨床心理学の授業を受けたりしてきました。 また、科目の中で一番面白かったのは主題科目です。自分の興味に合わせて、伊豆での観光からロボットを作ることまで、なんでも挑戦できるという授業です。音楽が大好きな私が選んだのは、ラテンアメリカ音楽演奏入門という授業です。前に触ったこともない楽器を一学期でマスターできて、最後に演奏会を行うというとても楽しい経験でした。海外からの留学生 (国費/後期課程)好奇心を持って成長する教養学部教養学科超越文化科学分科学際言語科学コース 3年エフセエンコ・ワレーリヤ ロシア出身 時間が気付けるよりも早く去っていき、あっという間に私も入学式に参加する後輩を祝福する側になりました。東京大学に入学して一年間、私は様々な体験をしてきました。喜んで笑ったこともあれば、悲しんで怒りを覚えた記憶もあります。こういう感情が交じり合う中、私は人間として成長してきました。そして、本当の人生を見えるようになってきて、多く得たことがあると実感しています。 まずは、人との出会いです。多くの人と知り合って、そして交流することには、大きな意味があります。大学では、今までとは違って多くの学生は自分の将来について真剣に考えていて、そのため一人ひとりが自分の思考があることを私は感じています。様々な人の考えを知り、同じようなものを確認し、異なるものとぶつかり合い、そして初めて自分の世界観、人生観が定まるものです。こういう精神的な切磋琢磨は、将来自分の人生に大きな影響を与えるに違いないでしょう。また、この時期に手に入れる友情は、成熟したもので一切の利益のかかわりのない純粋で珍しいものともいえます。多くはいらないが、一人や二人がいれば十分です。そういう関係は、ぜひとも皆さんにもゲットしてほしい。 学術面においては、さすがの東京大学といいようがありません。前期課程において、幅広く教養を身に着けるという言葉は決して空言ではありませんでした。その真髄は文理問わずの教養科目にあります。必修科目はもちろん、一般教養として芸術、思想、社会、経済、文化、国際、自然科学、理論科学など、多彩な科目にわたりある程度深く学ぶことができます。私は実際、音楽論でのオペラ鑑賞、分析と同時に、海外からの留学生 (私費/前期課程)政治経済学で様々な経済理論について学んできました。また、初年次ゼミナールでは、直接興味のある分野の研究室の先生の指導の下で議論、リサーチを行い、専門への道が開きました。現在は、MITとの合同講義でエンジニアリングについてシンポジウムに向けて準備をしているところです。また、東大のグローバルリーダーシップ育成プログラムに参加し、多分野にわたって問題解決の力を鍛える予定です。 私が好きなカントの名言の一つは、「人の心を深く揺らすのは、わが上なる星空とわが内なる道徳法則」です。カントは必ずしも自然法則と人間心理両方を意味していたわけではないでしょうが、私はこのように受け入れています。私は、人生にとってどのように生きていくよりもどのような生き方をするかのほうが大切だと思っています。そのため、人とのつながりと無限にある知識、この両方を大切にして、世界を舞台にし活躍したい。それを実現する機会を提供してくれるのは、東京大学です。振り返れば、絶対に正しいか誤った選択など存在しないが、この大学に入って絶対後悔していないことは確かに言えます。皆さんにも、豊かで多彩な大学生活を楽しめるよう祈っています。教養学部理科一類 2年劉 洪波 りゅう こうは 中国出身駒場祭にて大英自然史博物館展にて主題科目「ラテンアメリカ音楽演奏入門」の演奏会 東京大学は勉強以外もサークルや様々な活動が充実している場所でもあります。自分はどのサークルにも所属していませんが、2年生の時からグローバリゼーションオフィスのチューターとして活躍しています。GOオフィスは駒場キャンパスにいる交換留学生やPEAKプログラムの学生たちに手伝ったり、交流会や様々なイベントを開催したり、留学生と密接にかかわることができる場です。GOオフィスだけでなく、駒場にある様々な国際交流サークルや国際研修を通して、人生に欠かせない貴重な経験を積むことができます。英語の練習はもちろんできますし、世界中からの友達ができて、視野を広げて、自分についての発見もできると思います。私が一番大事な発見は「知らないことがいっぱいある!」ということです。そのきっかけにこれからは東京大学の大学院に進みたいと思いました。新たな人生の出発点留学生・留学経験者の声

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