日本獣医生命科学大学 大学案内2017
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治療学Ⅱ獣医臨床繁殖学研究室河上栄一 教授・獣医学博士 産業動物だけでなく、犬などの伴侶動物も、人工繁殖、避妊などの人為的なコントロールが必要不可欠です。一方、動物たちの長寿化が進み、生殖器疾患が多くなりました。私達の研究室では、犬などの凍結精液・人工授精・体外受精・凍結胚・胚移植・受精・妊娠のメカニズムおよび不妊症や雌雄の生殖器疾患の治療などの研究を行っています。これらの技術は、絶滅に瀕した動物にも応用され、種の保存の一助となっています。KEY WORD犬、生殖器疾患、人工授精、体外受精、希少野生動物、種の保存治療学Ⅱ産業動物臨床学研究室山田 裕 特任教授・博士(獣医学) 臨床学というと病気だけを研究しているようですが、そうではありません。牛には胃が四つありますが、ただ数が多いだけではありません。消化機能も栄養代謝も人とは全く違った面があります。しかし、生まれた時に働いている胃は一つだけです。この不思議な動物の飼い方・健康管理・病気の治療法を研究している研究室です。KEY WORD牛、反芻動物の消化機能・代謝、子牛の飼育管理衛生・公衆衛生学獣医衛生学研究室田中良和 准教授・博士(医学) 獣医衛生学とは、動物疾病のさまざまな要因を分析し、それに基づいて病気の予防対策方法を探ろうとする学問です。動物の病気はさまざまですが、我々の研究室では主にウイルス感染症のメカニズムを探る研究を行っています。ウイルス感染症はウイルス側と宿主動物側の両方の解析が必要です。研究室では分子生物学的な手法を用いて細胞とウイルスの遺伝子の相互作用を解析し、時には野外におけるウイルス感染症の実態調査を行ったりしています。KEY WORD動物感染症、動物疾病制御、病気の予防・対策、感染症の診断・治療野生動物学野生動物学研究室羽山伸一 教授・博士(獣医学) 本学は1984 年に獣医系大学で初めて野生動物専門講座を開設し、卒業生は各地の保護センター、動物園、水族館、研究機関などで活躍しています。現代社会ではヒト・産業動物・野生動物の共通感染症対策、希少動物の野生復帰、農作物を荒らすサルやシカなどの管理、外来動物の対策など、獣医学が取り組まなければならない多くの課題が山積しています。野生動物学研究室では人間と野生動物の間にある問題を解決するための研究を行います。KEY WORD野生動物問題の解決、共存のための科学、保全医学衛生・公衆衛生学獣医公衆衛生学研究室植田富貴子 教授・農学博士 コアカリキュラムに移行してから、講義では従来の獣医公衆衛生学は大きく食品衛生学、環境衛生学、人獣共通感染症学、獣医疫学に分かれました。しかし当研究室では、コアカリキュラム以前からこれらそれぞれに対応した体制を取っており、食品衛生では「リステリア菌」、環境衛生では「重金属による環境汚染」、人獣共通感染症では「Bウイルス」を取り上げて、それぞれの疫学を行っています。KEY WORD食品衛生、環境衛生、人獣共通感染症獣医学総合教育比較細胞生物学研究室土田修一 教授・医学博士 人に個性があるように動物も個性を持ちます。個性を特徴付ける形質は遺伝法則にしたがって親から子へ受け継がれてゆきます。血液型に代表される個体差を利用して動物を分子レベルで分類することが可能です。個体差の検出法を応用して個体識別、種の同定、雌雄判定、遺伝病の遺伝子診断などを進めています。また、メダカを使って電子顕微鏡による観察も含めた病理学的ならびに分子生物学的手法による老化の研究も行っています。KEY WORD遺伝子診断、遺伝病、メダカ、テロメア、内分泌撹乱物質、電子顕微鏡獣医学総合教育比較発達心理学研究室柿沼美紀 教授・博士(文学) 発達心理学の視点から人や動物を研究し、人と動物の相互作用について検討します。異なった種(チンパンジー、ラットなど)の認知的発達過程や母子相互作用を比較することで、その種に固有の特徴と共通点を考えます。具体的には子育ての行動観察と分析、心身症や発達障害の事例検討などを行っています。また、人と犬や猫などの家庭動物の相互作用や、動物の持つ癒しの効果など、動物の社会的な役割についても考えていきます。KEY WORD社会的認知的発達、母子相互作用、子育て、人と動物の関係獣医学総合教育生体分子化学研究室田﨑弘之 教授・博士(農学) 生命現象の根源には、まず分子が存在し、それが組織化して細胞を形成して生命活動が営まれています。生体分子化学研究室では、生化学・分子生物学・生物有機化学の考え方と技術に基づき、生物の生命はどのように維持されているのか、分子レベルから学びます。特に、質量分析計を用いた代謝産物やタンパクの網羅的解析、トランスクリプトーム解析を中心に研究を進めています。KEY WORD最新機器による生体中の代謝産物やタンパクの分析、解析獣医学教育推進室獣医学教育推進室(兼務)堀 達也 教授・博士(獣医学) 獣医学教育推進室は、特色ある獣医学教育の開発・構築を担当しています。現在、本学では特色ある教育の一つの柱として、学生のコミュニケーション能力の開発・育成を掲げ、模擬クライアントを配した医療面接実習を試みるなど新しい手法を取入れた臨床教育を行っています。平成28年度から本格実施が予定されている共用試験の準備やそのトライアルにおいても教育推進室は中心的役割を果たしています。KEY WORDコミュニケーション力、医療面接実習獣医学総合教育獣医事法学研究室牧野ゆき 准教授・博士(獣医学) 社会規範のひとつである「法」は、現実の生活に生かされることに意義があります。獣医事法学研究室では、医学・獣医学と法学の両方の立場から「法」を追求しています。すなわち、医療・獣医療を法的側面からとらえることにより、獣医療の在り方や獣医療関係者に期待される社会的責務、獣医療倫理について検討しています。また、社会の統一と秩序を保つ「法」の存在を知り、日常生活の具体的問題と結びつけて理解することを目指します。KEY WORD法、獣医療、獣医療倫理、自然科学と社会科学との接点22

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