日本大学文理学部 学部案内2017
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 私のゼミの対象領域は美学・芸術学ということになります。他の分野でもそうですが、感性の学であり、芸術の学である「美学」も、現在これまでのあり方が問い直されているといえるでしょう。そういう状況を背景に、ゼミでは、西洋あるいは東洋において感性と芸術がもった意味について考えてみたいと思います。そのための手がかりとして、芸術作品を取りあげるとともに、それを支えている芸術理論を、より広い社会的、思想的コンテキストと関連づけながら検討したいと考えています。今年は西洋近代の美術理論のなかから重要なテキストを順次取りあげ、英語のテキストも参照しながら、じっくり読んでいく予定です。どの時代のテキストに重点をおくかは参加する学生諸君の関心も考慮しながら決めたいと思っています。久保ゼミ(美学) 美学藝術学のゼミです。年間の授業は二本立てになっており、ひとつは、美学藝術学の古典を読み、議論するというものです。これまでは、マッテゾン、ショーペンハウアー、ハンスリックなど音楽美学に関係する学者の著作を中心にしてきましたが、最近は、ダゴベルト・フライ、N・ハルトマン、ハイデガーなど、もっと全般的な美学の著作にシフトしてきています。いずれにしろこれらの著作は、どのような美学分野、藝術分野の研究を行うにあたっても、何らかの指針を与えてくれます。もう一つの柱は、各自の自由研究。これは、各自が自分の好きなテーマを見つけ、それを学問的に深めてゆく作業です。そのほか、私のゼミでは、夏に―年によっては冬も―展覧会か音楽会の鑑賞を組み合わせた合宿を行って、ゼミ生どうしの交流や藝術体験を深めてもらっています。高橋ゼミ(美学)ドイツ観念論と呼ばれる18~19世紀のヨーロッパ思想潮流の研究を基礎にしながら、美や藝術の問題を探究しています。対象となる思想家はショーペンハウアーやフィヒテ、シェリングといった人々です。さらに最近は、感性や感覚といった視点から人間の「知」の在り方や領域の問題についてアプローチすることにも関心をいだいています。また私自身、音楽の世界ともかかわっておりますので、ゼミでは音楽美学を研究・教育の中心に置いています。音楽以外では(絵画は言うまでもありませんが)、建築(とくに教会建築)、工藝などに強く惹かれています。高橋陽一郎(教授) 美学・ドイツ観念論「美学」という学問は三つの観点を包括していると考えることができます。それは「美」の哲学、理論であるとともに、「芸術」の哲学、理論であり、また「感性」の哲学、理論でもあります。私は若い頃、文学や音楽が本当に好きでしたが、そのような芸術の意味について根本的に考えたいと思い美学を専攻し、学生時代はハイデガーやカントの「美学」を勉強しました。現在は、感性的な文化という観点から、一方では、美学と倫理学との関係について考察するとともに、芸術、とくに美術を、その具体的なあり方に即して考えたいと思っています。久保光志(教授) 美学・芸術学●10

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