日本大学文理学部 学部案内2017
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 さて、英文学科で「英語そのものを学ぶ」ことの具体的な内容について述べてみます。つまり、学問としての英語ですが、それは「文学」と「語学」の2つの分野に大別されます。学科名が示す通り、英文学科で学ぶ「文学」とは、(主に)英米文学を指します。そして、「語学」とは、英語学や英語(科)教育学などです。文学作品や詩歌などを通して、人生とは何か、人生をいかに生きてゆくべきか、などを考えるきっかけとなることでしょう。文学を通して、現実にはできないような経験をすることができます。そのような疑似体験によって、時に主人公になりきり、自分になぞらえ、自分を見つめ直し、人生を深く考えることになるかもしれません。愛憎、嫉妬、友情、勇気、正義など、いろいろなことを考えることになるでしょう。文学を通して人生の機微を知るのです。また、英語学を通して、ことばの理(ことわり)を知ることになります。「ことば」は、われわれにとって、いわば、空気のような存在です。何気ない存在であるがゆえに普段あまり深くは考えないかもしれませんが、その仕組みは実に複雑です。しかし、その仕組みは、一見すると複雑なように見えても、その根底においては、非常に単純で美しいまでの原理・原則によって支配されています。その理を教わった時、あるいは自らその存在に気づいたとき、それはもう鳥肌が立つような感動を覚えることでしょう。そんな感動を英文学科で味わってもらいたいものです。あるいは、英語教育学の授業を通して教育理論を学びます。理論に心底頷くかもしれません。そして実際に生徒(子ども)たちと接し、習った理論がそのまま現場で通じることもあれば、まったく通じず人知れず涙することもあるでしょう。しかし、それらすべてが感動のかたまりなのです。そのような実体験を通して、教育の難しさを知り、自分の中にある子どもたちへの愛情を再認識するのです。子どもたちとともに歩むことの喜びです。 師との出会い、学問との出会い、一生の友との出会い…。英文学科で過ごす4年間は、毎日が感動の連続です。英文学科を目指す皆さんは無限の可能性を秘めています。その無限の可能性を自ら確かめ、開花させるために、そして、人生を豊かなものにするために、皆さん、英文学科の扉を開いてみてください。英文学科教員スタッフ一同は、扉を開ける皆さんを心より歓迎いたします。英文学科主任  吉 良 文 孝1926年の創設以来、90年の歴史を誇る英文学科は、世界のさまざまな舞台で活躍できる人材の育成を目指し、以下の3つを教育目標として掲げています。第1の目標は、まず英語の運用能力を高めること。グローバル化した現代においてはさまざまな国の人たちと接触し、英語で意思疎通を図ることが欠かせません。「聞く・読む・話す・書く」力を日々向上させ、自らの考えを英語で表現できるコミュニケーション能力の修得は、世界の舞台に踏み出す第一歩だと考えます。第2の目標は、英語という言語の仕組みと働きを十分に理解し、「ことば」としての英語の感覚を磨くこと。直感に頼るだけの英語力では、洗練されたものにはなりえません。意味内容を正しく読みとったり伝えたりするには、意識化され、体系化された精度の高い英語力が必要です。音声学・統語論・意味論・語用論などの英語学系の科目によって研ぎ澄まされた英語の言語感覚を身につけていきます。第3の目標は、英米を中心とした英語圏の文学作品を通して人間を探究すること。詩・小説・戯曲・エッセイなどの英米文学を精読し、言葉に反映された人間心理や文化の深層を英語を通して理解することは、人間という存在そのものに対する鋭い問題意識を育みます。そして、その問題を分析し表現する力は、皆さんがこれから生きていく上での大きな財産になるものと確信します。― それは人生を豊かなものにするためです。3

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