広島市立大学 大学案内2018
41/150

ユニークな研究紹介東アフリカに位置するケニアのサバンナで、マサイの人たちの家に泊めてもらいながら調査をしています。最近の関心事は「マサイの戦士」のこれから。インターネットで検索すると、赤い布を体に巻き、槍を持ったり跳びはねたりしているマサイの戦士の画像がいくつも見つかります。彼らは21世紀の今でも「伝統的」な暮らしをしているようです。しかし実際には、多くのマサイの戦士は学校に通っているし、腕時計や洋服を身に着け、ケータイやスマホを持ち歩き、メールやSNSを毎日使っています。そんな「現代的」なマサイの戦士も、外国人観光客や国際援助機関の前では、わざと「伝統的」なフリをします。なぜなら、そうした方がよそ者は喜び、いろいろな援助をしてくれるからです。アフリカは「伝統的」だと思い込み援助をする人たちと、「現代的」な生活を希求するアフリカの人たち。はたして国際的な開発援助はアフリカで「発展」を実現しているのか?そもそもアフリカの人たちが求める「発展」とはどんなものなのか?人びとの意見はさまざまだし、その意見も時間とともに変わっていきますが、それを追い続ける中で「援助」や「発展」、「貧しさ」や「豊かさ」の意味を考えています。環境社会学 国際開発論 アフリカ地域研究講師 目黒 紀夫「マサイの戦士」のこれから現代アフリカにおける開発援助と社会変容華僑の中でも、とりわけ少数派であり、そのアイデンティティを地域ではなく「よそ者」という概念に求める客家(はっか)という集団を研究しています。中国革命の英雄に客家が多い、優秀な集団であるという賛辞もある一方、排他的だという批判もあり、まさに俗説と毀誉褒貶が混在、その実態はよく分かっていませんでした。しかし1990年以降、彼らは独特な文化を持つ集団として中国内外の注目を集め始めています。彼らはいつ頃から「客家」と名乗るようになったのか、なぜ今だに蔑視がありながらも近年客家であることをカミングアウトする人びとが多いのか、現在中国政府はどのように彼らの文化を保護、宣伝しているのかなど、多くの疑問があります。こうした彼(女)らを巡る近現代の動きおよび現状を、客観的に把握、分析して華僑研究に貢献しつつ、「蔑視される概念集団」という視点からも彼らの動向を捉え、一つの集団に対する蔑視と賞賛がどのように起こるのかをも追究することを目標としています。中国近代史 華僑論准教授 飯島 典子中国内外に注目され始めた少数派「客家」を巡る近現代の分析と追究040

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る