広島市立大学 大学案内2018
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学際的な視野から、明日の地球社会を見つめる全研究科共通の選択必修科目群「21世紀の人間と社会」は、人文科学、社会科学、自然科学、芸術学など、既存の縦割りによる学問領域を超えて、より広範な学際的領域で編成されています。これらの科目群を通してさまざまな分野の本質に触れることで、学問研究に対する調和のとれた思考と柔軟な批判精神を養うとともに、修得した専門知識を再構築する機会となります。このように、大学院では専攻する専門分野の既成の枠組みを超えて、常に、新鮮な視点、多様な問題意識、柔軟な判断力を養う、先を見通しにくい21世紀の社会に役立つ調和の取れた教育・研究を行っています。◎国際関係と平和広島平和研究所長 吉川 元◎日本論教授 佐藤 深雪◎道具論教授 及川 久男 ほか◎人間論A(人文・社会科学)准教授 柿木 伸之◎人間論B(自然科学)非常勤講師 戸田山 和久◎科学技術と倫理非常勤講師 石田 三千雄全研究科共通科目群■開設授業科目◎都市論教授 吉田 幸弘 ほかグローバル化やマルチメディア技術の普及とともに都市はますます不可視となってきました。機械化、ネットワーク化する都市は、他方で生命体としての人間のエコロジー回帰を促してもいます。そもそも都市とは何だったのか、歴史の原点に遡り、かつ未来都市を構想しつつ、また視野を広く地球規模に広げて、世界に知られる都市広島においてこそ論じなければならない、21世紀の都市像とそのデザイン方法について実践事例や現地見学を含めて講じます。科学倫理や技術倫理、科学者・技術者の責任、技術の文明論的考察、生命操作技術の倫理や生命倫理学の倫理性、科学技術と公共性、市民の関与、技術倫理の仮題、技術者倫理教育の現状などを論じます。人間の大きな特徴は「心」を持っていることだといわれてきました。一方で、人間は動物であり、さらに究極的には物質にすぎません。こうした唯物論的な見方に立った上で、人間の心をどのように捉えていけばよいのか、心の科学と心の哲学の交差する領域の問題を考えていきます。人間は歴史的・社会的・文化的・哲学的・教育的存在です。この前提に立って、人間学的視点から、また人類学的視点から人間論を展開します。現代社会は加速度的に急激な変化をしており、人間の本質、生き方、あり方を探究することは、極めて重要な意味を持ちます。道具がどのような存在であるかを論じます。道具存在論、道具が開く文明と文化の歴史、過去と現在、未来論、形態と機能、美意識の国際比較、美術、工芸とインダストリアルデザインとの違いなど、道具を使う立場、つくる立場、考える立場、商う立場にとっての道具のありようの見方を論じます。20世紀初頭に、夏目漱石は、自己本位と則天去私に基づいた個人主義によって独自の立脚点を得ました。ヘンリー・ジェームズにおけるヨーロッパとアメリカの関係と対比しながら、漱石の「私の個人主義」と「現代日本の開化」を中心に論じ、「日本」について考察します。20世紀の平和と安全保障の概念の変容について講義するとともに、冷戦後になぜ、新しい安全保障の概念や活動が展開されるようになったのか、その背景を考察します。そして、21世紀の平和と安全保障を俯瞰します。私たちが生活している社会は情報化社会、電子社会等と呼ばれて久しい。現状では情報化、ITと称されている電子技術、情報通信技術によるコンピュータおよびそれらを結び合うネットワークシステムが重要な社会基盤と考えられ、それらの発展により私たちの生活や社会情勢が大きく変化しつつあります。本講義では経済、法制度、倫理、文化、国際関係等に情報関連技術の発展により、どのような問題が生じるのか、今後どのように対処すればよいかを検討します。◎情報と社会非常勤講師 橘 啓八郎101

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