工学院大学 大学案内2019
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卒業生旭化成ホームズ株式会社宮﨑 理佳さん2017年 建築学専攻 修士課程修了その学びを社会へ大学時代、特に研究に力を入れたのが大学院で過ごした2年間でした。日本の伝統的な建築や集落について学びたいと考えテーマにしたのは、長崎・五島列島にある隠れキリシタンの集落の研究でした。過疎化が進み、キリシタンの伝承や痕跡が失われつつある地域の文化を保存・継承するために、何度も現地を訪問して実地調査を繰り返し、集落の全体像を浮かび上がらせることを試みました。フィールドワークを重ねる中で身につけたコミュニケーション力、手早く計測を行う習慣は、現在の仕事にも役立っています。また、調査するだけでなく、建物が持つ価値を検討し、その改善方法や将来に生かす道を考えるなど、複合的な視点を得ることができたのも大きかったです。また、先生方も建築学部の魅力で、何名かの先生と一緒に研究も兼ねた旅行をするほど距離が近い関係でした。調査結果をまとめた修士論文は最優秀賞を受賞。学生生活の集大成が認められたことはとてもうれしかったです。現在は旭化成ホームズが手がけるヘーベルハウスで、設計業務に携わっています。設計を行うのはオフィスですが、実際に住宅を購入して住む人と向き合いたいという思いから、積極的に住宅展示場などに出向くようにしています。お客さまと直接話をして、どのようなくらしをイメージしているのか、本当にその人に必要なものは何かなど、会話の中からニーズを見つけ、それをできるだけ設計に反映することが、お客さまに満足してもらえる家づくりの第一歩だと考えています。学生時代は、できるだけ自由な発想で、自分の創造性を高めることができました。しかし、実際の住宅では、施主の要望はもちろん、コストや工期、建築法規まで考慮することが必要です。その分、図面に引く線の1本1本がとても重みを持ってきます。私が引いた線が壁や柱になり、それを作る多くの人がかかわってきます。設計自体も楽しいですが、それ以上に人が好き。1本でも多く思いを込めた線を引くことで、より良いくらしを作る手助けができれば幸せです。それぞれ、お世話になった先生と先輩からいただいたメジャーと三角スケール。いまも大切に使っています。宮﨑さんのマストアイテム先生方と四国にある漁村集落を訪ねたときの一枚。建物を見るときの先生の鋭い視点が勉強になりました。 思い出の一枚人のくらしを豊かにする設計図を一枚でも多く描いていきたい。これからも大切にしたい日本の伝統的な風景を記録図面に引く1本の線にもしっかりと想いを込めるKogakuin University 2019086建築デザイン学科建築学部

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