工学院大学 大学案内2019
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卒業生住商ビルマネージメント株式会社渡邊 裕貴さん2014年 建築学専攻 修士課程修了その学びを社会へ  建物の一生を考えると、建物が完成するまでの期間に比べて、使い続ける期間の方がずっと長期にわたります。これからの時代、スクラップ&ビルドを繰り返すのではなく、建物の価値を守ることや有効な利用方法を模索することが重要になる。そのような考えから、建築物の管理・運営を通して不動産価値の向上をめざすプロパティマネジメントの仕事に興味を持ちました。きっかけとなったのが、建物から排出される廃棄物の処理方法について調査・研究を行ったこと。研究では、建物形状や立地条件の異なる新宿と八王子の両キャンパスをモデルケースに、有効な資源回収方法の検討・環境負荷の試算・処理コスト等を調査。そして、調査の一環として、ビルメンテナンス会社の協力のもと、清掃作業を体験し、実際の現場を知ることで、建物に命を与える不動産管理の重要性を再認識しました。現在、オーナー、テナント、ビルメンテナンス各社、設計・施工各社など、多くの企業と連携して業務にあたっていますが、そのときの経験からそれぞれの立場に立って考えることを心がけています。プロパティマネジメントの仕事は、オフィスビルの管理だけにとどまりません。竣工後の問題をあらかじめ回避するため、ビルの設計段階からプロジェクトに携わることもあります。その際に見落とされがちなのが、廃棄物置場などのバックヤード、すなわち、外からは見えにくい部分。ビルの運営において、使い勝手は極めて重要な要素となるため、ユーザーや各ビルスタッフなどの多角的な視点から適正なサイズ感や効率的な動線などを考え、場合によっては設計の変更を提案することもあります。私の場合、幸運にも入社1 年目で新規大規模案件の立上げプロジェクトに参加することができ、すべての工程を体験することができました。ビルのオープン初日は、それまでの苦労を思い出し、大きな感慨を覚えました。オフィスビルは経済活動の拠点であり、人が集う場所。そのため、まちのあり方にも大きな影響を与えます。私はこれからさらに経験を積んで、ビルを通してまちを作り、まちを通して人々に感動を提供できるようなプロパティマネージャーになりたいと思います。研究でそれぞれがNo.1をめざせるよう、西川研究室のメンバーで富士登山を敢行。辛い思いもしましたが、ご来光を拝むことができました。業務上、現場へ急行するケースもあるため持ち運びが楽な小型手帳と、事務所へ戻った後に発生事案や課題を整理するための大型手帳の2種類を併用しています。思い出の一枚 渡邊さんのマストアイテムビルにかかわるあらゆる立場の視点を大切にすることで快適なオフィス空間を提供したい。研究活動を通して不動産管理の本質を理解する不動産の価値を高めるため、多角的な目線で使い勝手を検討まちづくり学科建築学部

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