工学院大学 大学案内2019
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卒業生理研ビタミン株式会社石郷 寿紀さん2013年 化学応用学専攻 修士課程修了その学びを社会へ私は食品化学工学研究室に1期生として配属されました。当時は徐々に設備を整えている段階で、 研究室にないものがあれば別のもので代用するなど、工夫しながら実験を進めていたのを覚えています。新しい研究室だけに色々なことに挑戦するチャンスがあり、先生も自由に研究に取り組ませてくれました。私は、学部と大学院の3年間で複数のテーマに取り組みました。そのおかげで食品化学工学という分野を俯瞰的に捉える視点が得られたと感じています。修士課程のおもな研究テーマは、製パン用小麦粉の経時変化の測定。製パン業界では、製粉した小麦をすぐに使わず、一定期間おくことでパンの容積を増加させるのが一般的ですが、その過程がわかっていませんでした。そこで、小麦粉の熟成中に起こる変化を測定し、パンの品質にどのように影響しているのかを検討しました。研究室では小麦粉をこねてはパンを焼く日々が続きましたが、その経験から結果を出すために同じ作業を続ける根気強さが身についたと思います。研究を通して食の世界に興味を持ち、就職先は食品業界に絞りました。中でも、原料から製品まで幅広く食品に携われる理研ビタミン株式会社に魅力を感じ、就職を決めました。現在は、水産エキスの原料開発や家庭用・業務用の製品開発に携わっています。学生時代の研究との違いを感じるのは、世の中のさまざまな事情を考慮しないといけないという点。例えば、製品開発には必ず原料が必要ですが、その品質だけでなく、仕入れコストや確保できる資源量まで考慮しなければいけません。また、お客さまのニーズを見極め、それに応える商品をスピーディーに開発することも求められます。その点、食品メーカー出身の山田昌治先生からうかがった現場のお話はとても参考になりました。学生時代には体験したことのない社会の仕組みの中で苦労することもありますが、自分の手がけた製品が世に出たときの達成感は格別です。本当に毎日のようにパンを焼いていたので、いまでもパン作りには自信があります。顆粒を製造する造粒装置を用いて水産エキス製品の加工方法を検討します。調味料などの食品は味だけでなく、使いやすさも重要です。思い出の一枚 職場の様子食品にかかわる人間としての責任感を肝に銘じつつスキルを磨いています。毎日、香ばしい匂いがする3年間の研究生活原材料の品質からコストまであらゆる想定をして商品開発に挑む応用化学科先進工学部

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