尾道市立大学 大学案内2019
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Art & Design83「源氏物語絵巻 御法 模写」 2017年制作 前期模写課題「一瞬と永遠」 2017年制作 116.7×116.7cm 後期自由課題2017年制作 116.7×91cm 後期自由課題 私は日常で感じた感覚や気づきなどを、主に人物を通して制作しています。 画面においた色やマチエールが、完成に至る際どのような効果を持つかの手がかりの1つとして、「古典模写の専門知識を学ぶこと」「画材・素材研究をすること」について取り組んでいます。その中でも混色、特に色での明暗表現というものについて模索しており、その第一歩が源氏物語絵巻の「御法」の模写でした。 「御法」は私にとって、配色・構図・表現のどれもが魅力的で美しく、学びたい事が詰まった場面だったからです。源氏物語絵巻は今まで描いたどの模写とも異なり、被覆力の強い絵具をほぼ全面に使用する必要があり、金泥・銀泥の使用、絵の具をどの濃度で画面にのせていくかも違い、苦労したことを覚えています。後期に制作した自由課題では、御法を模写したことにより自分の中の気がつかなかった新しい色や表現に出会い、もっていきたい色にいく際のアプローチが変化したように感じます。日本画の岩絵具は粒子としての物質感が強く、それが作品にどう影響するかなどまだまだ奥が深いです。最近は、自分が設定したテーマを他者に伝達できる構図・表現についても研究していきたいと思っています。御法を模写した理由は、構図・配色・表現のどれもが魅力的で、学びたい事が詰まった場面だったからです。今までに挑戦したことのないタイプの模写で、大変苦戦しましたが、得るものは大きかったです。日に日に早まる時間の過ぎる速度は、私を置いてどんどん加速してズレが広がっていきます。院に入り、前よりその感覚が強くなり、この絵を制作しました。静と動を意識して構成し、箔や色使い、初めての技法など、多くの挑戦をした作品です。山の中にある下の街が一望できるブランコがあり、私は上下する景色に夢中でしたが、ふと下に目を向けると面白い影の形がありました。昔から影というモチーフに魅かれる事と、変化する現象を絵にして留めておきたいという気持ちで制作しました。大学院美術研究科2年浦﨑 葉子

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