尾道市立大学 大学案内2019
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研究室紹介060文芸創作 文芸創作を教えていると言うと、しばしば「文芸創作って授業で教えられるんですか?」と驚かれます。その答えは、イエスでありノーでもあります。 ゼミを受講する学生にも必ず話すのですが、『何を書きたいか』については自分で模索し、つかみとっていくしかありません。その意味では「他人に教えることはできない」といえますし、そこにこそ創作という営みの一番の面白さがあります。 しかし『書きたい内容を的確に伝えるための技術』については、経験者から教えられることがたくさんあります。たとえば陸上競技で、コーチにフォームを習ったらとたんに記録がぐんと伸びた。そんな経験はありませんか? 文芸創作にも同じことがしばしば起こるのです。 そんなわけで文芸創作の授業では、「自分が本当に書きたいことを書くために効果的な『フォーム』を身に着ける」のを目標に、様々な課題に取り組んでいます。 光原ゼミに所属する人は、文芸創作専門演習という授業を履修します。文芸創作の授業と聞くと、「ひたすら小説を執筆するのだろうか……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。 ご安心ください。最初から小説を書くことはありません。 まず、効果的な視点で書かれている作品を探したり、印象的なキャラクターの分析をしたりして、面白い小説を書くためにはどう工夫すればいいのか、という基礎を学びます。 そして、キャンパスのそばにある久山田水源池周辺の風景を簡潔な文章で描写する課題や、色名を出さなくてもその色が伝わるような短いお話を書く「色課題」、いかに文章で美味しさを伝えられるかに挑戦する「味課題」などを通して、自分の文章のどこを直せばより伝わりやすく魅力的な文章になるのかを探っていきます。他の受講生が書いたお話を読むこともできるので、自分にはなかった発想を知る機会にもなります。 分かりやすい文章は、文芸創作以外の場でも必要とされます。文芸創作の授業は、ただ小説を書くためのコツを学ぶだけではなく、文章力を身につけることにも繋がっています。4年 篠原 彩授業風景 日本文学科・教授光原 百合風景描写の練習中です。

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