尾道市立大学 大学案内2018
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研究室紹介050日本語学(古典語) この授業では、古代から明治までに編纂されてきた辞書について学びました。 授業で実際に読んだものに『類聚名義抄』があります。これは12世紀に作られた漢和辞書で、辞書の説明の中に「亠」などよくわからない記号が出てきます。実は、この記号はよく使う文字を省略して使っていたもののひとつ。「亠」は漢字の音を意味し、次に読み方を示すということを知らせるものだったのです! また、明治期にキリスト教宣教師のヘボンによって作られた『和英語林集成』の初版と第三版を見比べました。第三版には、初版には見られなかった「パチパチ」「ペラペラ」などの擬音語の項目が増えています。このことから、第三版ではより日本語の話しことばを意識した内容になっていることがわかります。 ほかにも「「今日」という言葉を説明するなら?」という課題が与えられ、辞書編纂者になったつもりで考える時間もあり、言葉を説明する難しさを改めて学びました。日本文学科3年 藤本 彩・宮城萌実授業風景 日本語学講義I(辞書史)日本文学科・講師藤本 真理子 日本語の歴史的変化を中心に研究しています。 今、私たちが話したり書いたりしていることばと、昔の人のことばとは、どこかでつながっているはずなのに、どんなふうに変わってきたのか、まだまだ分からないことがたくさんあります。 古い資料の全てが残っているわけではありません。そのため、これらの資料の点と点とをどのようにつないで、歴史や変化の線を描いていくのかは私たちに任されています。 そのときヒントになるのは、他の国のことばや、日本の中の方言など、さまざまなことばの変化です。そうして描き出したストーリーはまた、ことばの世界を広げていくものになるのでしょう。

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