学習院大学 大学案内2018
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 3・4年次の専門演習である「行政学演習」は、日本の行政の諸問題を大きなテーマとして扱っています。国、地方を問わず日本の行政や政策におけるさまざまな課題を発見し、課題解決のための道筋を考える方法を学びます。さらには学生たちが自分自身の考えをプレゼンテーションし、論文にまとめるといった実践的な技法についても、2年間の演習を通じてしっかりと養うことを目指しています。 「2015・2016年度は、その前年に話題になった“地方消滅”の議論を踏まえたうえで、地方自治体の活性化についての問題を扱いました。そのため、地方出身の学生が多く集まりましたが、もともと行政に関心を持つ学生が多く集まる演習であり、公務員志望の学生も少なくありません。今後もその時々の社会情勢にも配慮しながらテーマを設定することで、学生たちが実社会における問題に積極的に関わっていけるような演習にしていきたいと考えています」と藤田先生は語ります。 演習の具体的な課題としては、3年生はひとつのプロジェクトに全員で取り組み、4年生は各自が関心を持ったテーマをより一層深め、ゼミ論文を作成します。前期はそれぞれの課題に向けた準備期間にあてるため、3年生は中央省庁の研究や文献講読により行政学の知識を固めることが学びの中心となり、同時に4年生は各自のプロジェクトについても調査を重ねていきます。 「中央省庁研究や文献講読においては、学生たちは各自が与えられたテーマに沿って自分で調べ、内容を整理して発表するという流れが基本となります。はじめは調べるだけで精一杯の学生たちも、こうした訓練を繰り返す中で、次第にプレゼンテーションや自分の考えをレポートにまとめるスキルを身につけ、やがて、それぞれのプロジェクトを完成させるための力になるのです」 例えば2016年度、3年生は日本公共政策学会が主催する学生向けの政策コンペ「公共政策フォーラム」に参加し、国内有数の豪雪地帯である新潟県津南町の振興策について提案をしました。コンペに臨むにあたっては、地域を知り、課題を見つけ、解決のために何ができるのかを探っていきます。具体的には、人口規模の縮小と少子高齢化が進む中で、「魚沼産コシヒカリ」や「雪下野菜」といった全国的にも高いブランド力を持つ津南町の魅力を掘り起こすべく、雪と廃校を活かした夜市場の構想を発案。その内容を小論文にまとめ、15分間のプレゼンテーションにより提案を行いました。藤田ゼミでは、課題の見つけ方やプレゼンテーションの進め方、プレゼンテーションツールの作成のコツなど、必要な技術を身につけるためのサポートは行いますが、基本的には学生たちが自分で考え、たどり着いた結果を尊重したいと考えています。その成果が問われるのが、3年次のプロジェクトであり、4年次のゼミ論文というわけです。 「演習に参加する学生たちには、学問的な好奇心や探求心を持つと同時に、仲間と協力しながら主体的に意欲をもってゼミの運営に関わっていくことを期待しています。行政学演習Seminar on Public Administration藤田由紀子 教授Prof. FUJITA, Yukiko演習レポート Seminar Report政治学科 Department of Political Studies 自分自身で課題を見つけ、 実社会における諸問題に 積極的に関わっていく。 学生たちが主体的に ゼミの運営に関わろうとする 意欲が力を伸ばす。時には厳しい質問が飛び交う授業に臨むには、事前の準備や下調べが重要。日本の行政のさまざまな課題を発見し、問題解決に向けた実践的な思考力を鍛える。GAKUSHUIN UNIVERSITY032

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