國學院大學 大学案内2017
79/142

学びの足跡/テーマ発見から結論を導くまで畔田:大学に進んだからにはしっかり学びたいと思い、厳格で評判の田原ゼミを志願しました。発表やレジュメに求められる水準が高く、最初は驚きました。田原:先輩からも鋭い指摘がどんどん入りますからね。畔田:ゼミではまず、社会保障の基礎知識や調査の基礎を学び、2年次後期から実際に調査を始めました。田原:畔田くんの学年は、代官山で店舗調査をしましたね。畔田:はい。10年前の雑誌に掲載された店舗のうち、現在も存続しているのはいくつあるか、存続率を調査しました。田原:3人一組で、地図を片手に街を歩いて実地調査をした後、存続率を規定する要因を分析してもらいました。畔田:私たちは「駅から店舗までの距離」を軸に分析を進め、調査結果を代官山の地域の方々の前で発表しました。調査自体が初めての経験で、時には外部の方から厳しいご指摘をいただくこともありましたが、大変勉強になりました。田原:3年次には、同じく代官山で、今度は一人で調査をしてもらいました。畔田:田原先生に相談しながらテーマを選び、代官山に暮らす高齢者の外出状況について調査しました。これまで都心の高齢者像はイメージしにくかったのですが、アンケート調査で外出の頻度や場所のデータを集めたところ、われわれの想像以上に活動的に生活する都心型高齢者の姿が見えてきました。田原:学外での実地調査は、経済ネットワーキング学科の学びの特長でもあります。調査活動を通して身に付けた、人に協力を依頼したり交渉したりといったスキルは、社会に出てからも必ず活きることでしょう。田原:ゼミ卒業論文のスタートはとてもスムーズでしたね。畔田:はい。自分が大好きなアニメに関係するテーマにしようと、以前から決めていました。日本経済新聞の中から興味のある記事を選び、概要や問題点、関連する事項などを発表する2年次の新聞記事報告でも、アニメの聖地巡礼(熱心なファンが、作品の舞台となった土地や建物などを聖地と称して訪れること)について触れた記事を選びました。田原:発表時間内に収まらないほどの分量で、あのときは目の輝きが違いました。畔田:卒業論文では、「大都市近郊の『聖地巡礼』の課題」をテーマにしています。地方や超郊外では、アニメの聖地巡礼が地域活性化の取り組みとして位置付けられている事例が多いのですが、東京近郊で行われている取り組みは、地方のように大きく取り上げられていません。それはなぜなのか。イベントなどを運営している方々に聞き取り調査をしながら、考察しました。田原:学術論文は好きなことを興味本位で調べるだけではNGで、学術的に適切な方法で調査をし、まとめていく必要があります。先行研究をレビューして、何が明らかになっていて何が問題なのかを明確にし、そこに自分の研究を位置付けていかねばなりません。畔田:田原先生にアドバイスをいただき、学術的観点は常に意識していました。自分が興味のあるテーマなので、論文を読んだり調べるのは少しも苦労だと感じないのですが、聞き取り調査には苦戦しました。根拠になる資料が残っていなかったり、自分が聞きたいことをうまく聞き出せなかったりするのが難点で、説明や依頼の仕方を変えるなどアプローチ法を工夫して、データを集めていきました。田原:卒業論文への取り組みを通して、畔田くんは大きく成長したと感じます。今後は、興味のあることはもちろん、そうでないことにも積極的に挑戦する姿勢を持ち続けてほしいと思います。好きなことが何でも学問になる。社会科学の奥深さに触れる。好きなことが何でも学問になる。社会科学の奥深さに触れる。ゼミの夏合宿では卒論の中間発表を行う。先生やゼミ生からの指摘を参考に、9月に追加調査を行った。代官山での店舗調査の結果は、「代官山大学」と銘打ったイベントで地域の人に向けて発表した。アニメ好きの友人と共に、実際にいくつかの聖地を訪れ、ファンが集う場にも顔を出した。田原 裕子 教授専門:社会保障と地域研究畔田 正喬 4年生[取材時]私立正則高等学校卒業内定先:日本酒類販売株式会社東京・代官山での実地調査で人との関わり方を体得する。大好きなアニメに学術的な観点からアプローチする。経済学部経済ネットワーキング学科077

元のページ 

page 79

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です