國學院大學 大学案内2017
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学びの足跡/テーマ発見から結論を導くまで橋元:通常、経済学部のゼミは2年次後期から始まりますが、私のゼミは夏合宿(後期が始まる前)から参加してもらいます。金子:2年次の夏合宿では、経済の入門書をテキストに、一人が一つのテーマについて1時間、発表しました。大勢の先輩方を前にして、初めての発表ですから、とても緊張しました。橋元:続く後期でも、テキストをもとにテーマ発表をしてもらいました。金子:私が担当したのは「日本の人口構造と雇用」「景気とデフレ」について。2回発表しました。橋元:人口構造の問題は卒業論文にもつながるテーマでしたね。金子:ゼミ卒業論文のテーマについて、いくつか候補を検討していく中で気付いたのは、どの問題にも「少子高齢化」が関わっていること。日本経済の今後に大きく関わる問題だと考え、「日本は少子高齢化とどのように関わっていくべきか」というテーマを設定したのですが……。橋元:最初は先輩たちから厳しい指摘を受けていましたね。金子:3年次の春合宿で発表したところ、テーマが漠然としている、問題提起から結論への論理性がないと、厳しい意見をいただきました。でも、そのような意見も含めて有益な助言をいただきました。橋元:春と夏の合宿では3年次に卒論テーマの中間発表を行います。それに向けて、私も事前面談をしています。金子:調べていくうちに軸がブレてしまうことがあり、先生に軌道修正をしていただきました。橋元先生の「すべてを疑え」という教えは、今では私の考え方の礎になっています。橋元:世に溢れる情報も研究者の述べることも、さらに言えば私の言葉自体も、素直に信じてはいけません。本当にそうなのかと常に疑いの目を向け、自分で検証していく必要があるのです。金子:私は当初、人口が減ることが問題だと考えていました。そんなとき、橋元先生に「本当に現代は少子化なの? 江戸時代は?敗戦直後はどうだった? 当時、人々は不幸だったの?」と疑問を投げ掛けられ、思いもよらぬ視点に目が覚める思いがしました。橋元:この頃からでしょうか、金子くんは自分の考えを持ち、それを発言できるようになりましたね。金子:自分の中で、何が何でも人口を増やす必要はないのかもしれない、という考えが生まれ、結論の方向性も変わっていきました。例え人口規模が減っても、国民一人一人の幸福度が高ければ、国全体に良い影響を与えるのではないか。一定の出生数があれば、人口は維持でき、働く世代の負担も増えないだろう。そう考えたのです。橋元:適正な人口規模、人口構造を実現する政策が大事だということですね。金子:はい。今の少子化対策から、人口不変の社会の実現へと視点を変えるべきだと提案したいのです。橋元:新たな視点からの興味深い結論になりましたね。金子:当初のありきたりの結論から180度変わりました。自分の頭で考えることで理解が深まり、表面的ではない知識が身に付いたと感じています。橋元:それがゼミでの積極的な発言にもつながっているのでしょう。昨年はゼミ長も務め、今では頼りがいのある先輩としてゼミを率いてくれています。金子:橋元ゼミに入って良かったです。本当にこのひと言に尽きます。橋元先生のもと、先輩や後輩、そして素晴らしい同期に出会い、共に学べたことは、私の財産となっています。橋元:これからも、まずは疑ってみるという姿勢を忘れず、主体的に学び続けてください。「すべてを疑え」という恩師の言葉が、礎になる。「すべてを疑え」という恩師の言葉が、礎になる。普段のゼミではテキストを輪読し、各自がテーマ報告をする。質疑応答では鋭い意見が飛び交う。春と夏のゼミ合宿では、2年生はテーマ発表、3・4年生は卒業論文の中間発表をする。橋元ゼミを巣立った後も、その絆は強い。毎年11月にはOB・OG会を開催し、親睦を深めている。橋元 秀一 教授専門:産業労働・日本経済金子 和真 4年生[取材時]福島県立磐城高等学校卒業内定先:岡三証券株式会社すべてを疑う視点を持ち、自分で検証していく。新たな切り口で考え、ありきたりの結論から脱却。経済学部経済学科075

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