國學院大學 大学案内2017
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学びの足跡/テーマ発見から結論を導くまで三間:大学生活を振り返ると、やはり印象に残っているのはゼミ活動です。小原:ゼミでは毎年、1年間のうち半期をかけて各自が選んだテーマに取り組みます。三間:2年次のゼミ論文では、語学留学で訪れたニュージーランドの社会福祉について調べ、日本とニュージーランドの年金制度を比較・研究しました。小原:2年次だと苦労したでしょう。三間:最初はどう進めていいか分からず、資料や文献の集め方から論文のまとめ方まで、小原先生にご指導いただきました。特に「自分のことに落とし込め」という先生の教えは、常に意識してきました。小原:年金制度の紹介や要約では、パンフレットに過ぎません。論文にするためには、自分にとっての問題意識を見つけることが重要です。なぜこの問題を扱うのかを明確にし、独自の視点でまとめていく必要があるのです。三間:年金生活を送る祖母の姿を見て、私たちの世代にまで年金制度を継続させるにはどうすれば良いのだろう、と考えたのがきっかけです。ニュージーランドの成功事例から、日本に取り入れられる部分はないかと考察しました。小原:3年次には、フィリピンからの労働者受け入れ問題を扱いましたね。三間:フィリピンに語学留学した際に貧富の差を目の当たりにし、日本における労働問題にも興味を持ちました。国内における看護師・介護士不足を打開するために、日本政府が学費を出して外国人看護師・介護士を養成した時期があるのですが、言葉の壁や資格試験の難しさなどから母国へ帰ってしまう人が多く、問題となっています。小原:研究の進め方・資料の集め方にも慣れてきた頃ですね。三間:国家間の条約を解釈してまとめ、来日者数、試験の受験者数や合格者数、日本への残留率などを報告書で調べていきました。また、外国人介護士を受け入れた施設の手記なども読みました。小原:集めた情報から何を見いだすか、繰り返し問いましたね。三間:先生の助言から自分の主張を再考したところ、「どうすればうまくいくのか」を提示したいと思い、他国の事例から解決策を探ることにしました。小原:焦点を絞り、深めていく過程は非常に重要です。さらに、独自の視点が持てるといいですね。三間:私は、外国人労働者の受け入れを考える前に、国内の潜在的な労働力を掘り起こし、活用することが重要ではないかと考えました。小原:外国人労働者の問題から、人材の発掘・活用へ伸びて、4年次のテーマへと結びついたわけですね。三間:はい。4年次のゼミ論文では、女性の社会進出をテーマに研究しています。日本の現状や制度について、北欧などの取り組みと比較しながら、どう改善していくべきかを追究しています。まもなく社会人となる自分のことにも照らし合わせながら、研究を深めていきたいと考えています。小原:三間さんのように、自分が興味を持ったことを掘り下げていけるのが、政治専攻の学びの特長であり魅力です。三間:ゼミや授業での学びを通して、社会問題について自分がいかに無知であるかに気付きました。知ったつもりになっていても、それは表面的な情報であったり、一つの視点に過ぎなかったりします。自分の手で調べて追究することの大切さを学びました。小原:これからも情報に翻弄されず、自分で答えを見いだす力を磨いてください。さまざまな変遷を経て、今日的な社会問題を掘り下げていく。さまざまな変遷を経て、今日的な社会問題を掘り下げていく。2年次にはニュージーランド、3年次にはフィリピンにて短期語学留学を経験。現地での気付きがゼミ論文のテーマにもつながった。ゼミ合宿ではゼミ論文に設定したテーマについて発表する。小原先生から厳しい指摘が飛ぶことも。前期は新書を輪読して発表。ディスカッションを通してテーマについて掘り下げていく。小原 薫 准教授専門:日本政治思想史三間 麻美 4年生[取材時]神奈川県立平塚江南高等学校卒業内定先:花王カスタマーマーケティング株式会社初めてのゼミ論文で研究の方法を学ぶ。自分に照らし合わせて女性の社会進出を考える。語学留学をきっかけに外国人労働者問題を扱う。法学部法律学科 政治専攻069

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