國學院大學 大学案内2017
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学びの足跡/テーマ発見から結論を導くまで黒﨑:宮内さんは「現代社会における神社の役割」を演習論文のテーマに選びましたね。宮内:「新たなコミュニティの場・精神の拠り所として」とサブタイトルをつけ、現代社会における神社の存在意義や可能性を探っています。黒﨑:テーマは早くから決まっていたようですね。宮内:3年次、黒﨑ゼミに入った直後に、先生からの紹介で神社でのワークショップの手伝いに行ったのがきっかけです。黒﨑:東京大神宮(東京都千代田区)で、縁結びのモチーフであるすずらん型のネックレスを作るという、女性向けのワークショップでした。宮内:はい。数名で一つの机を囲んで作業をするのですが、最初は知らない人同士でも製作を通して会話が生まれ、自然と仲良くなる。その姿がとても印象的で、しかも神社という場所の意外性がありました。コミュニティの場としての神社の新たな一面を垣間見た気がしました。黒﨑:「精神の拠り所」という観点ではどうですか?宮内:ネックレス製作後に参加者全員で参拝したのですが、祈るという行為を通して、神社との精神的なつながりが生まれていくのではないかと考えました。神社や神道は、特に若い人にとってはなじみがなく、敷居が高く感じられがちです。このワークショップのような取り組みを通して、そんな人々の意識を変えることができるかもしれないと、可能性を感じました。黒﨑:3年次には、情報化社会における神社の在り方について発表しましたね。宮内:卒業論文でやりたいことが見えていたので、その足がかりとなるようなテーマを選びました。FacebookなどのSNSを通した神社と氏子のつながりや神社の情報発信について、事例を集めながら調べていきました。黒﨑:面白い切り口ですね。現代は地域社会が解体しつつありますが、その一方で若い世代はSNSなどで新たなつながりを求めていますよね。宮内:実際にFacebookでイベント情報などを発信されている神社の方にお話を聞く機会もあり、インターネットや文献での情報収集に留まらない調査の面白さを知りました。黒﨑:神社の事例に加えて、地域コミュニティにおけるSNSの活用事例なども調べていけば、新しい視点や可能性を提示できるのではないでしょうか。宮内:演習論文では、3年次に扱ったテーマを発展させ、神社と人々との「つながり」のかたちについて考察しています。先行研究が少なく文献探しには苦労していますが、國學院大學の図書館には神道関係の資料が豊富にそろっているので、とても恵まれた環境だと感じています。黒﨑:演習論文では、問題点を提示すると同時に、その問題にどう関わっていくべきなのかを、自分なりの視点で発信していくことが重要です。宮内:3年次の発表の際にいただいた黒﨑先生の助言を参考に、心のケアなどの社会心理学的な観点も意識しました。新しい一面から捉えると物事の見え方が変わり、視野が広がりました。ゼミでの学びや研究を深める中で、多角的な視点を持ち、自分で考え、発信する力が身に付いたと感じています。黒﨑:社会に出てからも、この力は必ず糧となります。大学で宗教を、神道を学んだことに誇りを持ち、折りに触れて振り返ってほしいと思います。神社の新たな姿を、新たな可能性を、追求していく。神社の新たな姿を、新たな可能性を、追求していく。東京大神宮でのワークショップで製作したビスケットネックレス。神社の新たな可能性を感じた。神楽舞のサークルに所属し、神道文化学部が主催する10月の観月祭でも舞を披露した。ゼミでは毎回、学生が司会や書記を交代で務め、議論を通して主体的に学びを深めていく。黒﨑 浩行 教授専門:宗教学、宗教と情報・コミュニケーション宮内 里菜 4年生[取材時]私立鎌倉女学院高等学校卒業内定先:日東工器株式会社神社でのワークショップで新たな可能性を感じる。別の観点で捉えることで神社の新たな面が見える。3年次の研究・発表で、卒業論文の足がかりを作る。神道文化学部神道文化学科059

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