名古屋市立大学 大学案内2020
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37Message 看護学研究科の博士前期課程看護学領域は10分野が設置され、臨地における問題や課題に積極的に取り組む研究・実践能力を養うこと、また、現在、多様化する社会、高度化する医療の中で、特定領域の高度専門職業人や、保健医療福祉に携わる専門職の協働においてマネジメント能力を発揮できる人材を養成することを教育目標としています。性生殖看護学は、リプロダクティブへルス/ライツの視点から女性とその家族の健康への教育支援や看護援助方法を、成育保健看護学は、子どもの成長過程に生じる健康問題、病気や障害をもつ子どもや家族の健康問題などの研究を行います。クリティカルケア看護学は、急性臓器障害や侵襲的治療によって生命の危機状態に陥った人やその家族がもつ看護問題や倫理的な問題を、慢性看護学では、慢性疾患を有する人および家族の療養生活を支えるための看護援助について、高齢者看護学では、高齢者の生理的機能の低下や疾病による健康障害等に対する看護援助等について探究します。看護マネジメント学は、医療の質と安全、看護管理に関する研究を、感染予防看護学は、院内感染サーベイランス、感染制御アプローチの感染予防ケアに関する研究を、精神保健看護学は精神科病院等で活動する看護師の専門性、あるいは心理的障害・不適応の問題に関する研究を行います。地域保健看護学では地域や家庭などの生活の場における看護活動や地域ケアシステムの開発、在宅療養者の訪問看護活動などの地域保健活動について多面的に検討します。国際保健看護学では主に疫学を中心に、健康科学、社会科学など学際的なアプローチを用いて、国際的視野をもって取り組むべき健康課題の現状把握、対策について探求します。 博士前期課程には、クリティカルケア看護、精神看護の専門看護師(CNS)教育課程コースを設置し、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族や集団に対して、水準の高い看護ケアを提供するための教育プログラムを行っております。両分野では専門看護師教育課程コースの認可を受け高度実践看護師の輩出に貢献しています。 さらに、前期課程における助産学領域助産学分野には、社会的ニーズに応えられる助産実践能力を修得する上級実践コースと臨床助産の研究に取り組む修士論文コースを設置しており、上級実践コースは助産師の国家試験受験資格取得コースとアドバンスコースで構成されています。 博士後期課程は健康生活支援や新たなケアシステムに関する研究を通じて、看護学の学問的構築を推進できる優れた教育・研究者を育成することを教育目標とします。教育研究分野は、性生殖看護学・助産学、成育保健看護学、クリティカルケア看護学、高齢者看護学から成る「健康支援看護学分野」と感染予防看護学、精神保健看護学、地域保健看護学、国際保健看護学から構成される「ケアシステム看護学分野」の2つを設置しています。 教育課程としては前期課程・後期課程ともに、各教育研究分野を担当する教員がそれぞれの専門分野をより深く探究するための知識を教授する講義科目、各院生の専門分野に関する疑問を特別研究へと展開させる演習科目、専攻する教育研究分野における学位論文作成に不可欠な論文作成指導を行う特別研究で構成されています。また、それらとは別に、研究内容・方法の補強のための支持科目等も開講されています。これらの講義、演習等は、仕事を続けながらでも学習継続が可能なように、通常の時間帯のみならず、平日の夜間帯にも開講されています。 また、平成26年度にはエイジング・イン・プレス(AIP)社会の実現および医学・医療の発展と向上を担うコミュニティ・ヘルスケア指導者養成コースを設置しました。このコースは名古屋市立大学大学院医学研究科・薬学研究科・看護学研究科・名古屋工業大学大学院工学研究科の協力によって運営されます。 これまでの看護学研究科修了生の進路としては、全国の大学等の教育・研究機関に教員として、また地域や病院に看護師・保健師・助産師として就職しています。今後は、海外の教育機関等への就職も可能と思われます。看護学研究科大学院生から看護学研究科 博士前期課程2年クリティカルケア看護学分野 宮澤 拓也私は、看護師として脳神経外科・神経内科病棟での経験を経て、現在救命救急センター・救急病棟・ICUに勤務しています。クリティカルケア領域では救急・集中治療看護は勿論のこと、近年では超高齢化社会となり救命救急センターやICUと地域医療をつなぐ終末期医療も重要視されています。私自身、クリティカルケア領域で看護実践を行う中で終末期医療の場面でジレンマを感じることも多く、看護実践は勿論のこと他職種との調整や倫理的問題の調整、患者さんに関わる医療スタッフへの教育を行いたくクリティカルケア看護専門看護師コースに入学しました。現在、指導教員や研究室の仲間、職場の方々のご協力のもと、滋賀県にある病院に在職したまま通学しています。名古屋市立大学大学院には在職のままで修学可能な長期履修制度があり、大学院で学んだことをそのまま臨床で看護実践することが可能なのも魅力のひとつです。大学院では講義や実習、ゼミを通して今まで行ってきた看護実践を言語化するとともに、ディスカッションを通して様々な意見を聞くことで知識を深めることができます。在学中に私自身の課題を明らかにし、修了後には専門看護師として患者さんと家族の支援ができるように日々研鑽していきたいと思っています。私は精神科の病院に長く勤務し、その中で、ストレスとメンタルヘルスについて関心を抱くようになりました。私たちの日常生活には常にストレスが存在し、ストレスによって精神疾患や身体的疾患を抱えてしまう人がいます。一方で、ストレスと上手に付き合っている人もいます。ストレスと上手く付き合える人とそうでない人の違いは何か、上手に付き合えるようになるにはどうしたらよいのかということを探求したいと思い、博士前期課程を経て、今年度博士後期課程に進学しました。私が専攻した精神保健看護学では、学部生と大学院生を交えたゼミが毎月行われています。先生方からのご助言、ゼミの仲間とのディスカッションは、研究者としての力とモチベーションを高める貴重な時間です。また歓迎会や忘年会には、修了生も招いて交流を図り、仲の良さが感じられます。これから始まる学生生活は、博士前期課程以上に難しさや大変さがあると思います。ご指導下さる先生方や、ご理解下さる職場の皆さんに感謝しながら、またゼミの仲間と支え合いながら、かけがえのない時間を大切に過ごしていきたいと考えています。看護学研究科 博士後期課程1年精神保健看護学分野澤田 華世看護学研究科Graduate School of Nursing

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