名古屋市立大学 大学案内2020
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看護学部長・看護学研究科長堀田 法子Message ここ20年余りの間に「看護」には大きな変化・変革が起きています。少子高齢化、疾病構造の変化、医療の高度化や専門分化、チーム医療の推進、さらには国民の健康に関する意識や関心の高まりによって、より高度な知識や判断力をもった看護師が求められるようになりました。その結果として起きた現象が、看護師教育の大学化です。看護系大学の数は1990年代に入り一気に増え始め、平成31年4月現在276校までに至っています。 こうした社会的要請に応えるため、「人間の尊厳を理解し、看護を通じて保健・医療・福祉に貢献できる人材を育成する」という教育理念のもと、『豊かな人間性』『確実で応用がきく実践力』『様々な人間関係を調整する力』『幅広い視野』をもつ人材の育成を目指して日々教育に邁進しています。また、大学院看護学研究科では、平成30年度末までに看護学修士232名、看護学博士20名の修了生を輩出しています。 また、保健師・助産師教育については、従来ほとんどの看護系大学では看護師保健師助産師統合カリキュラムとして学部で行ってきました。しかし本学では、増え続ける教育内容に対処すべく、平成20年度に全国の公立大学においては初の大学院における助産師の高度実践者の育成を目的とした助産学分野を新設しました。また保健師教育は学部教育に留めるものの、平成24年度入学生からは将来保健師として働く希望を持つ学生だけの選択制としています。 以上の様な「看護」の変化は基礎教育に止まらず高等教育へと拡大し、平成6年には専門看護師制度が誕生しました。専門看護師の教育は大学院修士課程で行う事とされ、しかも提供する教育カリキュラムは一定の基準を満たしていることが必要条件とされています。現在がん看護をはじめ14の専門分野があるうち、本学研究科では平成20年度に急性・重症患者看護分野、平成25年度に精神看護専門看護師の教育課程が認定され、高度な看護職者を育成しています。 このように時代は刻々と変化しています。それに伴い、人々の健康に対する考え方はもちろんのこと、看護を目指す人たちの意識や価値観も変化していくことでしょう。名古屋市立大学看護学部・大学院看護学研究科はこのような変化にも柔軟に対応した教育内容および方法を追求するとともに、看護学の構築に向けた基礎的あるいは臨床研究を幅広く行っていくつもりです。皆さんもこのような名古屋市立大学看護学部及び大学院で、ともに学んでみませんか。「看護」は、対象となる方の年齢や価値観、生活背景といったさまざまな状況に応じて、多様なかたちに変化します。相手を尊重する姿勢を大切にし、その人らしい幸せな生活の実現を支える専門職となることを目指して、4年間で基本的な知識や技術を学び、経験を積み重ねていきます。1年生では、一般教養科目に加え特徴的な科目として、医薬看合同で取り組む地域参加型学習があります。チームで協力しながらニーズに沿った問題解決方法を考えることで、広域的に学びを深める第一歩となります。2年生では、専門科目が増え多面的に看護学を深めていきます。演習で学ぶ技術も高度になり、実践の幅が徐々に広くなっていきます。3年生からは本格的に実習が始まり、それまで学んできた知識や技術を統合しながら、実践的に看護について学びます。病院のスタッフや指導教員から密に指導をいただくなかで実践力を高めていくことができる、何ものにも代え難い経験となります。4年生では、専門科目での学びや実習での学びも最終段階を迎えさらに視野を広めた視点での看護実践を学ぶほか、看護研究を通してより良い看護の実践とはなにか、研究的な側面からも看護観を発展させていきます。名市大では、互いに高めあえる仲間に出会い、学生の声に寄り添い熱心な指導をしてくださる先生方のもと、充実した日々を送ることができると実感しています。ぜひ、名市大で一緒に学びませんか。卒業後の進路 卒業生の81.1%は看護師や助産師(注)として本学医学部附属病院をはじめ、名古屋市内や愛知県内の病院等に、7.9%は保健師として行政機関や企業に就職し、活躍しています。また、大学院などに進学し、さらに看護学を学ぶ卒業生もいます。現在、本学にも看護学研究科博士前期課程および博士後期課程が設置されています。Q&A保健の先生や、看護学等の教員資格は取得可能でしょうか? 簡単に言いますと、保健の先生つまり養護教諭になることも、看護学等の教員になることも可能です。ただしそれぞれに条件があります。 まず養護教諭になるには養護教諭免許状が必要です。「1種免許」と「2種免許」があり、4年制大学のうち教員養成系大学の養護教諭養成課程や文部科学大臣の指定する看護大学で所定の養護と教職の単位をとると「1種免許」が得られます。本学は指定を受けていませんが、養護教諭に必要な科目を別途修得し、更に国家試験に合格して保健師の資格(注)を得たうえで、申請すれば、「2種免許」を得ることができます。(免許については「1種」も「2種」もほかにいろいろな取得方法があります。)(注) 平成24年度入学生より保健師の養成を全員必須制から20人程度の選択制となりました。 つぎに、看護学等の教員資格ですが、そのような免許があるわけではありませんが、看護系の大学・短大等の看護学の教員募集の要件を見ていますと、まず看護師の免許、他に専門分野によって保健師や助産師の免許も必要です。それから学歴では修士以上の学位を必要とすることが多く、看護学が実践の学問であるため、何年間かの臨床経験(例えば、病院などで3年以上の勤務経験)を要求されることがほとんどのようです。ですから、本学で学び、看護師等の国家試験に合格して免許を取得後に、何年かの病院勤務などで実務経験を積み、本学の大学院に入学して修士や博士の学位を修得しながら看護学の教育・研究者としての基礎を固めていけば、看護系大学等の教員となる道が開けてきます。在学生の男女の割合を教えてください。平成31年度は次のようになっています。1年 男子 2人+ 女子78人=80人2年 男子 1人+ 女子82人=83人3年 男子 1人+ 女子82人=83人4年 男子 3人+ 女子77人=80人看護学部生から29進学 5.9%保健師 7.9%1.2%助産師 3.9%看護師 77.2%(注)教員 3.9%その他(注)現在、助産師は大学院でのみ養成看護学部 看護学科4年生岡本 渚愛知県立刈谷高等学校出身卒業生の進路(平成30年度卒)

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