佐賀大学 大学案内2019
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 地球表面の約70%を占める海洋には、波浪、潮流、潮汐、海流、表層海水と深層海水間の温度差が存在します。これらの持つエネルギーは、海洋エネルギーと称され、その量は膨大で、かつ、再生可能であるため、化石燃料の枯渇や地球の温暖化が危惧されている今日、人類の未来にとって有用なエネルギーと認識され、世界各所で、その利用技術の研究開発が進んでいます。 佐賀大学海洋エネルギー研究センターは、平成14年に佐賀大学の全学共同利用研究センターとして改組され、平成19年度からの全国共同利用研究センターとしての正式運用を経て、平成22年度から、我が国の共同利用・共同研究拠点として運用を開始しています。当センターの目的は、海洋エネルギーに関する研究教育とその科学技術を戦略的に推進する国際的な先導的中核研究拠点として、海洋エネルギーに関する研究教育を総合的かつ学術的に行い、その研究基盤を確立するとともにその利用促進に貢献することにより、21世紀の地球規模でのエネルギー問題と環境問題の解決に寄与することです。特に、新しい概念を導入した海洋温度差発電システムと波力発電システムを中心に、海洋に存在する膨大な「海洋に賦存する膨大な種々のエネルギー及びエネルギー物質の回収とその複合的高度利用法」、「海洋エネルギー利用に関連する海洋環境への影響の解明」などに関して、基礎と応用、更には実証を目指した研究を行う全国で唯一の研究教育拠点です。また、海洋エネルギーに関する全国の研究者及び学協会等の要望に対応して、研究施設及び設備を開放するとともに、国内及び海外の研究者とともに、我が国の海洋エネルギーの学術研究を推進することを目的とする共同利用・共同研究拠点です。図1/佐賀大学海洋エネルギー研究センター佐賀大学の研究 研究体制は、『Ⅰ海洋熱エネルギー部門』、『Ⅱ海洋流体エネルギー部門』及び『Ⅲ学際部門』の3部門体制です。『Ⅰ海洋熱エネルギー部門』は、温度差エネルギー分野、海水淡水化分野、海洋深層水利用分野の3分野、『Ⅱ海洋流体エネルギー部門』は、波浪エネルギー分野、潮流・海流エネルギー分野、洋上風力エネルギー分野の3分野で構成され、両部門は、海洋エネルギーを創造するための基礎的応用的研究を主目的としています。『Ⅲ学際部門』は、海洋エネルギー環境情報分野、海洋エネルギー貯蔵分野、海洋エネルギー制御分野、海洋エネルギー物質創生分野、海洋エネルギー人材育成分野の5分野で海洋エネルギーの利用などの研究・開発を行っています。2.研究内容・特色 本学において約40年間、海洋温度差発電の基礎と応用に関する研究・教育を行い、海洋温度差発電に関する中核的な研究施設として実績を上げてきました。全国で唯一、海洋温度差発電実験研究装置(図2)を有し、海洋温度差発電に関する学術研究で多くの学術論文を発表するとともに学術賞を多数受賞してきました。インドやパラオ共和国などと、学術協定を締結し、海洋温度差発電に関する研究・教育で国際的な連携を推進しています。平成25年4月に発電を開始した沖縄県久米島の50kW海洋温度差発電実証実験にも全面的に協力しています(図3)。 海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion, 通称OTEC)は、表層海水と深層海水の間の温度差を利用して発電するシ(1)海洋温度差エネルギー分野1.センターの概要海洋エネルギー研究センター2.1 海洋熱エネルギー部門の研究開発017

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