京都産業大学 大学案内2017
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専門性をより深めた学びを提供研究機構Research Organization37 KYOTO SANGYO UNIVERSITY研究活動のさらなる活性化を目的に、さまざまな研究機構を設置。学内外の研究者との共同研究を推進、支援するとともに、国内外の大学や研究機構との交流、講演会やシンポジウムも開催しています。今後も研究力の向上のみならず、一拠点総合大学という利点を活かし、横断的・融合的な研究を推進します。神山天文台は、研究員・専門員などの天文台スタッフと学生が一体となったほかに類のない研究・開発体制をとり、世界一級の研究・装置開発に取り組んでいます。2010年の開設以来、荒木望遠鏡やそのほかの観測装置の開発・観測研究で学生が大きな成果をあげています。文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業には2008~2012年度および2014~2018年度と二度にわたって採択されました。また、神山天文台は広く社会に開かれた施設として、地域を対象とした天体観望会、天文学の体験学習講座も開催。これらの取り組みも神山天文台スタッフと学生が協働して実施しています。神山天文台が保有する実験開発機器の公開も行っており、地域の企業との協働をめざしています。神山天文台の特徴神山天文台神山天文台は大学の天文学研究・教育の拠点として、また、地域の方々にも開かれた天文台として2010年3月から運用を始めました。私立大学では国内最大の口径1.3mを誇る荒木望遠鏡(本学創設者で宇宙物理学者の荒木俊馬博士にちなんで命名)をはじめとして、各種天体観測装置や装置開発用の実験・開発設備を整えており、天体観測装置の開発拠点として世界一級の観測研究を推進しています。赤外線で見る宇宙:極限の虹で挑む宇宙の進化TOPICS神山天文台では、他の研究機関にはない独自の天体観測装置を開発することで、世界トップレベルの観測研究を推進しています。特に、赤外線と呼ばれる波長において光を虹に分ける「赤外線高分散分光技術」の開発に力を注いでおり、世界トップクラスの性能を誇るWINERED(ワインレッド)と呼ぶ装置の開発に成功しています。装置開発には、神山天文台スタッフおよび本学学生、ならびに国内企業の方々、さらに研究協定を結んでいる東京大学大学院のスタッフとも協働しており、国内の優秀な人材を結集し、その技術・知識を結びつけ、新たな研究成果を生み出しています。宇宙に存在する複雑な分子の発見など、神山天文台から次々に新たな成果が創出されています。また、同様にして、イマージョン回折格子と呼ばれる特殊な分光素子(光を虹に分ける部品)の開発に、キヤノン(株)と協働で成功しており、従来部品に比べて大幅な小型化を可能としました。この成功は宇宙開発においても重要な一歩であり、JAXAにおける宇宙望遠鏡の開発とも関係しつつ、当該分野で国内をリードしています。宇宙誕生以来、さまざまな天体において新しい元素が合成されてきました。私たちの体を作っている酸素や炭素、窒素といった重要な元素はすべて、宇宙誕生時に作られた水素やヘリウムから、後になって合成されたものです。そうした元素の合成を担う天体の一つが新星です。これは、二つの星が互いに接近してめぐり合う近接連星系における爆発現象であり、二つの星の一つは白色矮星と呼ばれる高温・高密度な特殊な星です(角砂糖1個分に相当する体積の重さが10トン以上にもなります)。この白色矮星表面に、他方の星からガスが流れ込み、それが爆発を起こします。この爆発の際に、さまざまな元素が合成されており、神山天文台の荒木望遠鏡と本学学生が製作した観測装置を用いた観測から、世界で初めて炭素や窒素の「同位体」(普通の元素よりも少し重い特殊な元素)が大量に発見されました。また、ハワイ島に設置された国立天文台の「すばる望遠鏡」を用いて宇宙の進化を探るうえで重要な「リチウム」生成の謎を明らかにするなど、さまざまな新星爆発に関する観測的研究を進めています。学生たちによる天体観測装置WINEREDの開発風景国際学会で発表する本学大学院生(当時)と研究員新星爆発における元素合成の謎を解明ノ バ

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