京都市立芸術大学 大学案内2018
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55[大学院]美術研究科 修士課程 保存修復日本・東洋の古典絵画を主要な研究対象として,保存修復に関する理論・技術を学びます。文化財を未来へ継承していく上での様々な課題を解決できる人材となるため,伝統的な絵画技法の習得,芸術学,美術史学,保存科学等の理論を学び,横断教育を通じて芸術を多角的に理解する能力を養います。また,伝統絵画の表装に関する装潢技術の実習を通して修復技術を体得します。さらに,自ら課題を設定して研究・制作に取り組みます。 陶磁器陶磁器による表現を,歴史的観点を踏まえつつ,現代性を多角的に問い,制作と論理との関係を明確にすることを目的に各自の課題に基づいた自主的な制作・研究を行います。指導はゼミ単位でのチュートリアルを基本に,半期に一度のプレゼンテーションを節目に制作と思考との関連づけを明確にします。制作・研究の過程で明らかになってくる問題点や課題は随時協議し,適宜参考文献や資料を提示し指導を行い,陶磁器の専門的知識を幅広く活かせる人材を育てます。 漆工木を素材とする制作を含め,漆芸における高度な表現・技術の習熟を目標とします。各自が提出する研究計画と,それまでに習得した技術をもとに,さらに伝統技法の研究や技法実験を行い,芸術的思考の深化と展開を促し,時代に対応する発想力の養成を目指します。特殊演習では,各自の直接制作に関わる問題のみならず,工芸全般,美術の領域にも視野を広げた体験を積み,理論指導します。 染織染織という表現手段を通じて,歴史と現状を含めた工芸と美術全体への認識と理解を深めます。1年に数回の作品展示・合評・ミーティング等を節目として,作家としての確かな意識の確立のために,各自が研究計画を立て制作します。すでに習得した技法だけでなく,幅広い視野と表現力を身につけ,創造力を深めます。55担当教員准教授教授高林弘実宇野茂男専門/文化財科学2005年東京藝術大学大学院美術研究科(文化財保存学専攻保存科学研究領域)博士課程修了。2011年から本学教員。最近の報文に,「敦煌莫高窟第285窟南壁龕楣の彩色材料および技法」高林弘実,倉橋恵美,范宇権,崔強(保存科学第48号 2009)。専門/日本画模写・保存修復1989年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程保存修復専攻修了。2012年から本学教員。セビリア万博安土城天守復元制作に携わる(1991)。「装飾古墳の世界」高松塚古墳壁画模写(国立歴史博物館/1992),御台場御普請所石垣積板絵模写(品川歴史博物館/2011)。保存修復専攻は,2000年に設置された,大学院(修士過程/博士(後期)過程)のみの専攻です。日本画はもちろん,他のジャンルや様々な学問分野を学んできた方が在籍しています。年々新たな成果が発表され,進歩著しい保存修復の分野においては,変化に対応できる知識と発想力を持つことが重要です。日本・東洋の古典絵画には,横長の紙面上に物語を展開させる「絵巻」や縦長の画面の「掛軸」,移動可能な壁としての機能を持つ「屏風」,建築に付属する障壁画などの諸形式があり,そこに描かれる画題と表現方法も様々です。材料(和紙・絹・板)・技法(線・塗り)にも特徴があり,造形上の魅力でもあります。当専攻では,古典絵画の模写を通して和紙や画絹などの伝統素材への理解を深め,顔料・金箔・裏彩色などの様々な表現技法を習得します。伝世品の修復・保存の知識・能力にとどまらず,多分野からのアプローチを通して,自己の感性や美意識に磨きをかけ,古典技法に基づいた創作を行える,活きた伝統の担い手の育成も目指しています。保存修復専攻は,大学院にのみ設置された専攻です!Department of Science of Art芸術学専攻Department of Conservation保存修復専攻Department of Crafts工芸専攻 芸術学大学院の芸術学専攻では,もっぱら研究者の養成が目的となります。専門分野と指導教員を定めたうえで研究に従事し,より専門性の高い授業が行われます。1年に数回の研究発表が課され,その成果を修士論文としてまとめます。非常勤講師鈴木 裕

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