京都市立芸術大学 大学案内2018
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京都市立芸術大学は,明治13年(1880)に京都府画学校として創設された,芸術系大学としては全国でももっとも長い歴史をもつ大学です。135年におよぶその歴史のなかで,京都市立芸術大学は設立当初より,日本の伝統芸術を継承・刷新するとともに,日本の近現代芸術の屋台骨を支え,世界的にも高く評価されるアーティストたちを数多く輩出してきました。その意味では,京都市立芸術大学は,京都のみならず,日本の芸術文化のきわめて重要な火床の一つであり,また世界への発信基地でありつづけています。芸術的な創造活動は,国家の歴史よりもはるかに古い《人類史的》ともいえるいとなみです。創生期の人類がすでに死者を弔い,花を手向けるという習俗をもっていたことからもあきらかなように,ひとの生老病死の傍らには,さらにひとの社会的な活動の脇には,つねに芸術・芸能がありました。芸術・芸能はその根を,理知のみならず,感覚や感情にまでも届かせる,人類文化の根幹となる活動の一つです。それはひとが大切にしなければならない感受性やふるまいの一つひとつを再発見し,かつ洗練させてゆくとともに,淀みかけた文化に新しい刺戟をあたえ,それを刷新してゆく,文化の駆動力の源泉の一つでもあります。芸術はひとを覚醒させるものです。いいかえると,芸術はつねに,文化が生まれいずるその場面に居合わせようとします。だからどれほど修練を積んだとしても,いつも初心者の心持ちから離れることはできません。アーティストは,制作の渦中でつねに「アートとは何か」「創造とは何か」と問いつづけています。その点では哲学の思考によく似ています。芸術はひとの感性や想像力を豊かにするものだと,よく言われます。言葉にならないものを表現するとも言われます。けれども,「悲しみ」という語が悲しみの感情に似ていないように,言葉もまたわたしたちの学長あいさつForeword2

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