京都工芸繊維大学 大学案内2020
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大学院繊維学域 専攻紹介(独立専攻)本専攻には博士前期課程と博士後期課程が設置されています。専攻名のファイブロは、「ファイバー状の」という意味の連結語です。科学と連結した「ファイブロ科学」はファイブロ材料およびその応用分野を研究対象とします。すなわち、ファイブロ材料を用いて人間との調和、環境との調和を可能にする機能やシステムを探求し、創成するとともに、その分野を発展させる人材を育成することを目的としています。研究内容は、人間と地球に優しく快適なファイブロ製品の開発、高機能・長寿命ファイブロ材料の創出、生体や生活に適合するファイブロ素材の開発、環境に配慮した天然ファイブロ資源の有効利用、ファイブロ廃棄物のリサイクル(資源化)、ファイブロ材料の新規デバイス応用など、環境調和型ファイブロ材料の開発、設計、評価、デバイス応用に関する教育と研究を、自然科学と社会科学の両者の観点を取り入れながら行います。また、人間の感性に直接訴えかけることのできる情報メディアや製品を設計したり、心地よさ・審美感・印象など人間の感性特性を情報工学の観点から明らかにするとともに、ファイブロ製品を感性面から評価する手法を開発します。さらに、歴史遺産である染織文化財の感性機能評価や保存法に関する研究や、伝統的な組紐、編物、織物などの技術に内在している知恵を先進的な材料の開発技術に応用することにより、安全性や堅牢性、柔軟性に富んだ環境適合型素材を開発することに関する研究を行います。先端ファイブロ科学専攻本専攻には博士前期課程と博士後期課程が設置されており、バイオマスを出発原料とした材料を製造するプロセス、成型加工、および物性の測定に関する教育・研究を推進しています。植物由来のバイオマスを原料にしたバイオベースマテリアルは、石油を原料としたプラスチックのように原料が枯渇することも、焼却処分をして大気中の炭酸ガスを増加させることもありません。一般にこの製造プロセスでは、微生物によりバイオマスをモノマーに変換し、化学プロセスにより重合する方法が取られます。微生物反応は高温や高圧を用いないグリーンケミストリーの概念に則しており、これは今世紀の化学の方向性と言えます。得られたモノマーを化学反応よりプラスチックへと重合する場合にも、バイオマス由来モノマーに特有の反応性を考慮した上で、環境負荷に配慮したグリーンなプロセスとせねばなりません。バイオベースマテリアルに、従来の石油系プラスチックと同等以上の製品物性を発現させるためには、繊維・フィルム・射出成型品等への成形加工法の研究も欠くことはできません。また、石油系には見られないバイオベースマテリアル特有の物性が見つかる可能性もあります。そのためには、物性測定の結果をナノレベルでの精密な構造解析に基づき理解した上で、成型加工法・製造プロセスへのフィードバックを行います。本専攻の特色はバイオベースマテリアルの製造から物性評価に至る一連の研究室を有し、それらが互いに連携していることです。各研究室は大学院の基本である学術性を発展させ、それを生かすことにより低炭素社会と同時に維持発展可能な社会の実現に寄与することを目指しています。バイオベースマテリアル学専攻

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