京都工芸繊維大学 大学案内2020
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この研究室が取り組むテーマの一つに「成体における神経幹細胞」があります。神経幹細胞は、神経細胞を生み出す能力を持った細胞。私たちは、大人でも延髄(生命維持の中枢となる部位)にこの細胞が存在していることを見出しました。この神経幹細胞を制御することで、損傷を負った脳機能の回復を促進できる可能性があります。脳は、人体に残された最後のフロンティア。今後、さらに重要性を増す研究です。人体の仕組みや食に興味のあった私。現在は、唐辛子の辛み成分である「カプサイシン」の摂取による体温や活動量、脳への影響についてマウスを用いて研究を行っています。体重減少促進などの機能性が注目されているカプサイシンですが、過去の研究ではマウスの皮下に投与するという方法を用いた実験がほとんどでした。そこで私は実際の食事を想定し、経口投与という方法を用いてカプサイシンの影響を検証。すると、高濃度の経口投与により一時的な体温低下と活動量の増加を引き起こし、脳内において炎症時と類似の反応が起きることが明らかになりました。この研究が、副作用のない機能性表示食品や特定保健用食品の研究開発に役立つと嬉しいです。研究を進める中で、海外の論文や雑誌を読んで新しい手法を探索し、実験環境を構築する経験をしました。それを通して、物事を深く考える力が身についたと感じます。自ら実験手法を模索する中で、物事を深く考える力が身についた。人体に残る最後のフロンティア、「脳」の機能解明を目指す。生体機能学研究室 宮田 清司 教授私の研究応用生物学専攻 2年次生 稲垣 春那 さん研究室

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