上智大学 大学案内2017
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国際政治・安全保障の新たな研究基盤として「上智大学 国際関係研究所」が設立されました。藤崎 研究所といっても、ここはいわゆる「研究所」には見えないかもしれませんね。専門書が陳列された本棚もないし、全面ガラス張りの空間に移動可能な椅子とテーブル、壁いっぱいのホワイトボード、それに英字新聞と英語の専門誌が置いてあるくらい。渡 英字新聞は、学生たちにはぜひ海外のメディアに接してほしいという意図から置いています。国内のメディアが報道しない出来事、まったく違う視点からのレポートに触れて考えることで、学問上の関心をより深めてほしいです。これまでの経験から、学生は考えるための材料が多ければ多いほど、柔軟に変化・成長できると感じています。藤崎 読んだり教わったりして学ぶことは、もちろん重要ですが、自分で何かアウトプットするということも重要です。この研究所では、各国の大使、たとえばオーストラリアやフィリピンの駐日大使などのゲストスピーカーをお招きしてラウンド・テーブルを開いてきました。そういう場で、どうすれば効果的に発言できるかを考えること。たとえばアメリカで1時間の講演を頼まれると、私が話すのはせいぜい20分です。残りの40分は質疑応答。みんな話したがっているし、スピーカーと議論したがっている。人の話を聞きながら、質問だけでなく、どう反論してみようかを考えているんです。渡 たとえば、国際協力に関心を持っていても、入学時点で自分の考えはこうだと、はっきりと自覚している学生は少ないように思います。世界の貧困にあえぐ子どもたちを助けたい、その気持ちも大切ですが、実際に解決するためには、経済や政治などの構造的な問題をきちんと勉強し理解した上で、自分は何ができるか、何をすべきかを具体的に考えられるようになってほしい。その成長のために、専門分野はもちろん、このような研究所での学びも大いに活用してほしいと思います。藤崎 “Try to Speak Up and Try Again”、とにかく発言する。うまくいかなくてもまたチャレンジする。知らない先生、クラスメイトではない学生たち、留学生たちの前で、話す勇気をつける経験をするべきだと思います。日本でよくないのは、さむい、とか、すべった、という言葉で、それで怖気づいて、発言しなくなるところ。すべったっていいんです。そういう自由な空気をつくっていかないと、考え方も型にはまってしまいますよ。渡 自由で開かれた議論ができるように、いろいろな工夫を積み重ねて、参加する研究者と学生の知的エネルギーをつなぐ場にしています。学生の頭と心に響く経験をこの研究所を通して提供していくつもりです。国際関係研究所統括代表特別招聘教授、国際戦略顧問藤崎 一郎一般社団法人日米協会会長。1969年外務省入省以来、外交官としての道を歩む。外務省北米局局長、外務省外務審議官、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使、アメリカ合衆国駐箚特命全権大使などのポストを歴任。2012年に退官後、2013年現職に就任。国際関係研究所所長 総合グローバル学部教授渡 由美専門は政治学、国際関係論。特に日米関係と日本の安全保障。東京外国語大学助教授、上智大学外国語学部教授を経て、現職に就任。キーワードは、「開く」と「つなぐ」。自分の知を組み立てるために全学共通科目語学教育留学プログラム図書館グローバル社会対応教育24

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