上智大学 大学案内2017
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コミュニケーション力語学力学融合的教養実践的教養基盤教養根幹はエネルギーを使い、枝葉を広げる。枝葉の吸収したエネルギーが根幹を育てる。専門分野これからの「専門家」は他分野と連携できる人。杉村 専門分野の知識の量、それはもちろん大切ですね。しかし、同時にそれを使いこなせる能力が問われる。たとえば歴史の年表を記憶しただけでは、歴史を理解しているとはいえないと思います。過去のある出来事と今起こっている出来事の類似性を発見する。あるいは、過去の出来事から、未来の方向性を思考する。ひとつひとつの知識をつなげる有機的な知性が、分野を問わず求められているのだと思います。とくに、地球環境などのグローバルイシューについては、他分野の専門知を吸収して自分の専門知とどうつなげていけるか。このさまざまな専門知を使いこなす力とつなげる力が「教養」だと考えています。藤村 これから大学へ進む人に理解しておいて欲しいのは、学部である専門分野を学んでも卒業した時点では、まだ「専門家」としては入口にとどまるぐらいだということ。ある分野の基礎を身に付けることと、他者とのコミュニケーション能力や、世界や社会の基本的な成り立ち、仕組みを理解する能力を強化する、大多数の学生にとっては、このふたつが大学の4年間の課題になるでしょう。仮に後者を時代を生き抜く力とすれば、それを鍛えるのが教養教育の役割ということになるかもしれません。具体的には、専門として所属する学科の科目を学ぶだけでなく、他分野の科目を、全学共通科目や他学部他学科の科目から履修することで、さまざまな領域について、ゼロではない状況を作る。そのようにして他分野と連携しながら他分野の専門知を吸収し、それを栄養にしつつ自分の専門知を育てていく。そのような知の洗練は大学院などで研究するだけではなく、企業などで仕事をしていても追究できる。専門家、スペシャリストになるというのは幅広い裾野こそが必要なんですね。「教養」は誤解されている。川中 「教養」は、現実の生活や仕事で使う役立つ知識とは別の知識というイメージでとらえられがちですが、幅広く深い知性という意味で人間の生き方をも規定するものと理解すべきだろうと思います。上智の教養教育のキーワードは「他者性」ですが、自分の中だけで完結せず常に他者へとまなざしを向ける、そういう意味での人間力と考えています。杉村 上智の教養教育は、他者を思いやるところへ集約されると川中先生はおっしゃいました。言い換えれば、思いやるときに他者へどう目を向けて、いかに他者と他者をつなぎ、そして、社会の問題を内在化していくのか、あるい幹を高く伸ばすためには、枝葉を広げ、深く根を張る必要がある。それが上智の教育システムの考え方です。学び方17

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