上智大学 大学案内2017
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Global Linkage地球の限りある資源と、世界の豊かな未来は、両立できるでしょうか?世界とつながる ローカルから考える私たちはサイエンスとテクノロジーの時代に生きています。昔の不便な生活に帰ることは難しい。しかし現在の先進国の豊かな生活を、人間は続けることができるのか? もちろん、同時に世界の貧しい人々の生活水準を上げることも必要。これは難問です。地球の豊かな多様性を維持しながら、人間の生活水準も維持、向上させるためには、ローカルからグローバルを考える、グローバルからローカルを見つめる、というふたつの視点が必要だと考えています。そう考えるようになったきっかけは16歳のときに1年間日本に留学したこと。カナダとヨーロッパという大陸で育った私には、道はどこまでも続き、風景はどこまでも変わらない、そして土地も資源も無限という感覚がありました。それが錯覚であることを教えてくれたのが日本です。大陸からの視点だけではなく、日本という島国から世界を見る、この新たな視点を獲得することで、私の視野と人生は大きく広がったんですね。研究しているのは環境政策と環境歴史学です。人間が農業や漁業を通じて、どのように環境と関わってきたかを研究しています。たとえば、日本の漁業では長年の経験から海岸近くの森が魚を寄せる、という伝承があり、「魚つき林」と呼んで守っています。このように人間が「手入れ」することで「生物生産性」と「生物多様性」が高められた沿岸地域は、最近では「里海」と呼ばれるようになりました。近い概念は、カナダ西海岸の先住民やオーストラリア北部の先住民にもあります。そして、その研究の延長線上にあるのが、地球規模の気候変動や食糧問題の解決に向けた取り組みです。私が世界各地のフィールドと、国や自治体などの行政機関、国連などの国際機関を結ぶ活動をしているのは、具体的な問題点をローカルで研究し、それをグローバルな政策づくりに活かす具体案を各機関に提示するためです。私の仕事場は、上智の四谷キャンパスを拠点として、ローカルとグローバルの双方向に広がっています。このユニークな立ち位置が、上智という大学のあり方と、私という研究者のあり方の共通点かもしれませんね。●東南アジア Sophia AIMSプログラム(SAIMS)国境を越えて学生が共に学びグローバルな課題に挑戦。毎年25~40名の東南アジアと上智大学の学部生がプログラムに参加しています。●アフリカアフリカ開発銀行アジア代表事務所と教育提携し、アフリカにおける国際協力や開発分野での連携講座の開講、セミナーやシンポジウム、インターンシップ・プログラムなどを実施。●カンボジア アジア人材養成研究センター「カンボジア人の手によるアンコール・ワット修復」を国際協力の哲学に掲げ、地元の遺跡保存官・石工等の人材養成活動を実施。約30年間にわたり、文化遺産の保存修復事業を通じて平和構築、そして、カンボジア方式の共生社会を構築。また、センターは東南アジアにおける文化交流拠点の役割も担っています。●中南米 Sophia-Nanzan Latin America Program(LAP)上智大学・南山大学・上智大学短期大学部が中南米諸国との間に築いてきた教育・研究両面での実績を基盤に、ブラジル、メキシコ、ペルー、チリ、コロンビア、アルゼンチンの6カ国13大学と連携し2015年から始まった留学プログラム。●地球の環境を考える科目群●地球環境と科学技術 ●開発の社会学 ●環境法入門 ●開発経済学 ●ENVIRONMENTAL ISSUES●日本 飯舘村ボランティア上智大学は福島県飯舘村と相互交流協定を締結しています。福島第一原発の事故により、飯舘村は全村避難を余儀なくされ、震災から5年経過した現在も村役場や飯舘中学校の仮設校舎は同県福島市飯野町に移転している状況です。2014年度から毎年夏休みの期間を利用して飯舘中学校を訪問し、学習支援や部活動支援のボランティア活動を行っています。大学院 地球環境学研究科 教授 あん・まくどなるど国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット所長/国連開発計画「生物多様性の10年日本委員会」を経て、現在は国連食糧農業機関アドバイザー/農林水産省「水産資源の持続的利用に向けた海洋保護区検討会」委員/生物多様性戦略検討会委員などを務めているA Diverse World For All ②10

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