一橋大学 大学案内2018
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22Seminar商学部 島貫ゼミTheme:人材マネジメント論慶應義塾大学法学部卒業。総合商社人事部門勤務を経て、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学。一橋大学博士(商学)。山梨学院大学講師、一橋大学講師を経て現職。専門は人材マネジメント論。主な研究関心は、日本企業の人事部門と雇用慣行の変化、就業形態の多様化に伴う仕事の質の変化など。島貫 智行 准教授 人材マネジメント論は、企業の戦略達成や競争力の確保を実現するための人材活用を考える学問領域です。人材(ヒト)という経営資源は、モノやカネとは異なり、人材一人ひとりの能力や意欲によって資源としての価値が変わり得るという特徴があります。したがって、企業が戦略を達成するためには、労働市場から必要な人材を採用するだけでは十分ではありません。仕事経験や教育訓練を通じて能力や技能を育成したり、仕事ぶりや成果を評価してそれに相応しい賃金や昇進機会などの報酬を与えたりして、人材の企業への貢献意欲を高めることが求められます。 ゼミでは、人材マネジメント論について理論と実践の両面から考えることを重視しています。人材活用にかかわる諸問題を考察するには、理論的な視点と枠組みをもって現実に接近するとともに、企業の優れた取組みの中から新たな知見を見出す試みが必要であると考えるからです。3年生は、欧米のビジネススクールで使用されている専門書を丹念に読んで、人材活用のフレームワークや専門知識を習得します。毎週20頁程度の英文を読んで要旨をまとめるとともに、企業戦略の違いに応じた人材活用法や、欧米の人事管理制度の日本企業への適用可能性などを議論することで理解を深めます。また、日本企業の人事変革に関するケーススタディを通じて客観的な分析力を涵養し、先進企業の人事マネジャーとの対話を通じてその優れた思考法を学びます。4年生は、各自の問題意識に基づいて卒業論文に取り組みます。研究テーマは、グローバル人事、成果主義、社内活性化、経営統合の人事、障害者雇用など様々であり、学生自身の新しい発想を大事にしています。 日本企業には正社員を中心とした長期雇用や企業内人材育成、能力主義賃金といった伝統的な雇用慣行があるとされていますが、今多くの企業が経営のグローバル化を進めるなかで、人材のダイバーシティに対応した新たな人材活用を模索しています。一橋大学で学ぶ学生の皆さんとともに、日本の人材マネジメントの未来を考えたいと思っています。商学部島貫ゼミ「人材マネジメント論」理論と実践の両面から企業戦略を実現する人材活用を考える 私たちのゼミでは「人材マネジメント論」という企業の人材活用について学んでいます。ゼミを選んだきっかけは、私自身のアルバイト経験から、どうすれば従業員として働く人たちが意欲的に働けるのかを知りたいと感じたことです。ゼミでは英語の専門書を読んで、企業戦略と人事制度を連動させる「戦略人事」という考え方を学んでいます。企業が戦略を達成するうえで人材活用の効率化を図るだけでなく、従業員が自分の仕事の意義やスキルアップを実感できるようにするには、どのような人材育成や評価、報酬の仕組みが必要なのかを考えます。また、人事制度改革の事例を分析したり、企業で組織変革に取り組んでいる人事部門の方々のお話を伺って議論したりする機会もあります。理論と実例の双方に触れながら人材活用についての理解を深められる点が、このゼミの魅力だと思います。卒業論文では、戦略人事の考え方を応用して、中小企業の採用戦略の研究に取り組もうと思っています。 2016年11月撮影商学部4年 新濱 優里香

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